ART
手仕事×機械 テクノロジー時代のファッション|NEW YORK
May 27, 2016 | Art, Travel | a wall newspaper | photo_©OMA, Nicholas Alan Cope text_Mika Yoshida & David G. Imber
毎年5月に始まるメトロポリタン美術館の特別展は、これまでもパンク展など多層的な広がりをもつファッション展を催してきたが、今年のテーマはテクノロジー。OMA NYによる会場デザインのもと、手仕事の技巧と機械による技術、それぞれの価値や歴史を対比させながらデザイナーたちの取り組みに迫る。
1880年のガウンから去年のシャネルスーツに至るまで展示品は100点余り。特筆すべきは会場のリーマン・ウィングの構造を巧みに使った、手仕事によるオートクチュールと機械生産のプレタポルテを対比させるデザインの妙。OMAの重松象平はこう語る。「アトリウムや廊下を白い半透明の皮膜によって内側から完全に覆い、展示空間へと変える野心的なデザインです。その形態と、すべてが透けている環境から私はこれを“ゴースト・カテドラル”と呼んでいます」。極限までにニュートラルで、各展示物のディテールと来訪者が対峙しやすい環境を提示する。ぜひ生で体験を。