ART
新たな作り手による“木彫りの熊”がシボネに集結中!
| Art, Design | casabrutus.com | photo_Norio Kidera text_Housekeeper
木彫作家・高野夕輝の個展『熊山 / kuma-san』が東京・表参道の〈CIBONE〉で開催中。北海道の伝統に通じた木彫り熊に加え、《くまちゃん》と題された個性豊かな木彫り熊も並んでいる。
スイスにルーツを持ち、日本においては大正期より北海道八雲町で作られるようになった木彫り熊。以降、愛らしい北海道土産として全国的に広く知られるようになったものの、制作をつづける熊彫の作家は現在、ほんのひと握りとなっている。
もとは家具製作を行っていた木彫り作家の高野夕輝は、近年になって木彫り熊の制作をスタート。八雲における熊彫の歴史を学びながら、独自のアプローチを模索し、今回《くまちゃん》と題された一見してポップな新たな木彫り熊へとたどり着いた。
もとは家具製作を行っていた木彫り作家の高野夕輝は、近年になって木彫り熊の制作をスタート。八雲における熊彫の歴史を学びながら、独自のアプローチを模索し、今回《くまちゃん》と題された一見してポップな新たな木彫り熊へとたどり着いた。
いつか絵本のなかで見たような郷愁も感じる、デフォルメされた熊の造形。しかし、近寄ってよく見ると、手彫りならではのテクスチャーが際立っていて、左目の脇に縦に入った線のような大らかなタッチがその穏やかな笑顔に同居しているのも、不思議と愛らしく感じられる。なにより実物を前にしてはじめてわかる、その存在感。近年増えつづけている木彫り熊ファンにはもちろんだが、彫熊と馴染みがないひとにも新鮮なアプローチの現代アートとして楽しめるはずだ。
《くまちゃん》のほかにも、八雲の伝統的な彫熊にならった高野の作品も多数展示。当初は販売も行っていたが、会期スタート数日でそのほとんどが売り切れてしまったという。
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