ART
来春、日本で23年ぶりの「モンドリアン展」開催へ。
| Art | casabrutus.com | text_Mari Matsubara editor_Keiko Kusano 画像写真の無断転載を禁じます
2022年に生誕150周年を迎えるピート・モンドリアンの展覧会が、今年新装オープンとなった〈SOMPO美術館〉で2021年3月から開催されます。
水平・垂直を厳格に守った単純な直線の組み合わせや、原色によるコンポジションで知られるモンドリアン(1872-1944)。イヴ・サンローランの「モンドリアン・ルック」など、ファッションにも多大な影響を及ぼした一連のシリーズを、誰しも一度は見たことがあるだろう。モンドリアンといえばコンポジション、と脳内に刷り込まれているが、そのルーツをたどれば、意外にもさまざまな絵画のスタイルを経ている。オランダから初めてパリへと渡ったのが39歳になってからという、遅咲きともいえるモンドリアンが、独自の画風に達するまでのスタイルの変遷をこの展覧会で通観することができる。
アムステルダムの国立アカデミーで学んだモンドリアンは、画家としてスタートした当初はハーグ派ふうの写実的な風景画を描いていた。
しかし1911年、39歳の時にアムステルダムでキュビズム展を見て衝撃を受け、パリへ。1916年ごろから抽象的コンポジションを描き始めるが、そこへ至る前に点描画風の作品や、象徴主義に影響を受けた作品も残しており興味深い。
しかし1911年、39歳の時にアムステルダムでキュビズム展を見て衝撃を受け、パリへ。1916年ごろから抽象的コンポジションを描き始めるが、そこへ至る前に点描画風の作品や、象徴主義に影響を受けた作品も残しており興味深い。
1917年に画家であり建築家のドゥースブルフらと「デ・ステイル」誌を創刊。1925年にはバウハウスから『新造形主義』を出版。従来の具象絵画から離れて、単純な形態や、自由なラインと原色によって構成される新しいスタイルを宣言し、ますます自身のスタイルを確立していく。
今回の展覧会では、オランダのデン・ハーグ美術館所蔵のモンドリアン作品約50点を中心に、国内のモンドリアン作品を加え、さらに同時代作家の作品約20点も展示される。オランダで過ごした初期から、パリを経てニューヨークへ渡った晩年までのモンドリアンの作品をこれだけ多く一挙に見られる機会は、なかなかないだろう。
『生誕150周年 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて』
〈SOMPO美術館〉東京都新宿区西新宿1-26-1。TEL050 5541 8600(ハローダイヤル)。10時〜18時(入館は閉館30分前まで)。2021年3月23日 〜6月6日。月曜休(5月3日は開館)。料金未定。
