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青野尚子の「今週末見るべきアート」|村上隆の檄が込められたコレクション。

| Art | casabrutus.com | photo_Takuya Neda   text_Naoko Aono   editor_Keiko Kusano

村上隆のコレクションがすごい。その数5,000点以上、ちょっとした美術館ぐらいあるらしい。噂に聞いていたそのお宝がついに公開! これまたちょっとした展覧会2つ分ぐらいの規模になっているアート・コレクションの山を見てきました。

コレクションが並ぶ展示室に立つ村上隆。寝ても覚めても芸術のことしか考えていない、修行僧のような風貌だ。
コレクションが並ぶ展示室に立つ村上隆。寝ても覚めても芸術のことしか考えていない、修行僧のような風貌だ。
グランドギャラリーの「彫刻の庭」。高さ3〜5メートルぐらいある大作が惜しげもなくぎっしりと置かれている。右の顔があるオブジェは張洹(ジャン・ホァン)《ヒーローNo. 1》(2008年)。牛の革でできている。中央のガラスの箱はマックス・フリージンガー《悲しみのアンジー(ローリング・ストーンズ)》(2011年)。中のオブジェはグランドピアノを解体したもの。
グランドギャラリーの「彫刻の庭」。高さ3〜5メートルぐらいある大作が惜しげもなくぎっしりと置かれている。右の顔があるオブジェは張洹(ジャン・ホァン)《ヒーローNo. 1》(2008年)。牛の革でできている。中央のガラスの箱はマックス・フリージンガー《悲しみのアンジー(ローリング・ストーンズ)》(2011年)。中のオブジェはグランドピアノを解体したもの。
村上隆がアート・コレクションを始めたのはここ10年ぐらいのこと。その間に本人も、今回の展示を担当したキュレーターも正確な数はわからないぐらいの膨大な数のものを集めてきた。

「相撲取りの白鵬翔が、毎日のすり足など定期的な練習を欠かさないというのをテレビで見ました。僕も現役の芸術家として存命中は成果を残し続けないといけない。だからアーティストにもトレーニングが必要だな、と思ったんです。今の僕の作品とステイタスはコレクションという練習の結果なんです」と村上は言う。

作品を吟味して選び、自らのお金を使って買い、所有する。美術館やギャラリーで見るのも重要だけれど、購入は鑑賞よりもアートともっと踏み込んだつきあいになるから、自ずと見る目も鍛えられる。もちろん決して安い買い物ではない。アートを見るのはもちろん、買うのはより厳しい闘いなのだ。
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青野尚子の今週末見るべきアートillustration Yoshifumi Takeda

青野尚子

あおのなおこ  ライター。アート、建築関係を中心に活動。共著に『新・美術空間散歩』(日東書院新社)、『背徳の西洋美術史』(池上英洋と共著、エムディエヌコーポレーション)、『美術でめぐる西洋史年表』(池上英洋と共著、新星出版社)。

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