ART
「日産アートアワード2015」グランプリは毛利悠子に決定！
November 27, 2015 | Art | casabrutus.com | text_Keiko Kamijo editor_Akio Mitomi photo_Keizo Kioku
24日、日産自動車が隔年で開催している現代美術のアワード「日産アートアワード」のグランプリが発表された。グランプリに輝いたのは、毛利悠子（1980年神奈川県生まれ）だ。
ミヤギフトシ《シャコンヌ ニ長調》2015 「日産アートアワード2015」展示風景
ミヤギフトシは、沖縄と米軍、セクシャルマイノリティ、歴史認識、翻訳と誤謬という複雑に入り組んだ問題に対し、「物語（フィクション）」の方法で斬り込む「American Boyfriend」というシリーズの新作を発表。歴史リサーチに基づいて創作された物語や映像の断片、流れるロマンチックな音楽。そのひとつひとつの背景を噛みしめるように味わうことで、現実にある切実な問題が浮き彫りとなる。
岩崎貴宏《アウト・オブ・ディスオーダー（70年草木は生えなかったか？）》2015 「日産アートアワード2015」展示風景
岩崎貴宏は黒澤明の映画『羅生門』に登場する門をモチーフにした新作を発表。写真は、人の髪の毛で作られた鉄塔であり、『羅生門』の原作に登場する老婆を想起させる。
米田知子「日産アートアワード2015」展示風景
米田知子は、第二次世界大戦の歴史にまつわる風景や人物、物をリサーチした写真作品を、過去に撮影された写真と合わせて展示した。B29の墜落現場や朝鮮半島の南北分断の境界線地域、戦争記録画を描き糾弾された藤田嗣治をモチーフにした新作を撮影。過去の断片から歴史を見つめ直す作品だ。
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