ART
バンクシー映画のあの人物、Mr.ブレインウォッシュに直撃インタビュー!
| Art, Culture | casabrutus.com | photo_ Olivier Mastey (portrait) text_Mika Yoshida interview_ David G. Imber
映画『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』で、ストリートアーティストの追いかけ転じて、自身が「大物アーティスト」になってしまったMr.ブレインウォッシュ。今は一体どうしているのか気になり、インタビューを敢行しました!
ビデオカメラを肩にストリートアーティストを追いかけていた青年が、バンクシーの軽い提案に舞い上がり、まさかの巨大・初個展を開いて一躍、時の人に!『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』の「結果的な」主人公、Mr.ブレインウォッシュことティエリー・グウェッタに話を聞いた。
── 映画公開からもう10年ですね。あれ以降、どんな反響がありましたか?
アーティストとして膨大な数のオーディエンスを獲得したね。それもアメリカだけじゃなく世界中で! あの映画は世界屈指のドキュメンタリー作品で、人々は今も見続ける。今でも「ちょうどあの映画を観たばかりです!」って2日に一度は声をかけられるよ。『イグジット~』は終わることなく、まだまだ続いているんだ。
── 映画の構成が、途中からあなたのドキュメンタリーへと変わっていった時、正直どう思いましたか?
撮っている最中は、どんな映画になるのかまったく誰にも読めず、すべてなりゆきだった。バンクシーを撮り続けていた僕に「君の方が自分より面白いから、君を撮ろう」って本人が言い出した。僕はいったん決めたらがむしゃらに突っ走るタイプなので、全身全霊でがんばった! その結果、6万平方フィートもの空間で個展だよ! 実現したんだ! 誰も予想だにしなかった映画の誕生だ。
── 映画公開からもう10年ですね。あれ以降、どんな反響がありましたか?
アーティストとして膨大な数のオーディエンスを獲得したね。それもアメリカだけじゃなく世界中で! あの映画は世界屈指のドキュメンタリー作品で、人々は今も見続ける。今でも「ちょうどあの映画を観たばかりです!」って2日に一度は声をかけられるよ。『イグジット~』は終わることなく、まだまだ続いているんだ。
── 映画の構成が、途中からあなたのドキュメンタリーへと変わっていった時、正直どう思いましたか?
撮っている最中は、どんな映画になるのかまったく誰にも読めず、すべてなりゆきだった。バンクシーを撮り続けていた僕に「君の方が自分より面白いから、君を撮ろう」って本人が言い出した。僕はいったん決めたらがむしゃらに突っ走るタイプなので、全身全霊でがんばった! その結果、6万平方フィートもの空間で個展だよ! 実現したんだ! 誰も予想だにしなかった映画の誕生だ。
●バンクシーとの新しい仕事も?
── バンクシーとは今も交流がありますか?僕らは一生、離れない! 互いに尊敬しあう盟友だ。世間じゃバンクシーと言えばMr.ブレインウォッシュ、Mr.ブレインウォッシュといえばバンクシー。出会うべくして出会った2人なんだ。
── 一緒に仕事もしています?
それはじきにわかるよ……かなり近いうちにね!(笑)
── 期待しています。そういえば、映画の冒頭に登場する古着屋は、まだ経営されているんですか?
売ったよ! 急に思い立って。実をいうと古着の業界には長いんだ。古着といっても安物ではなく、1着に700ドルの値が付くような、モノというより世界観を求めて人々が訪れるヴィンテージショップだ。僕の店はLA屈指のヴィンテージショップとして繁盛していて、中でも一番の上客は日本の人たちだった。だがどうしても映像作りに専念したくなり、ある日突然、店を閉めたんだ。そして何と、日本人が店を買ってくれたんだよ!
── 日本とそんな縁が。ちなみに映像は今も撮っているのですか?
毎日撮影しているよ。今は自分自身でカメラは回さないが、GoProを装着して撮りまくっている。他人に何と言われようと、撮り続けるのが僕の人生だ。時間にして4万時間分ものフィルムをこれまでに撮りためている。起きたこと、今起きていること、これから起きることをすべて世界に見せたいんだ!
── アーティストとしての活躍もめざましいですね。ロンドンのサーチ・ギャラリーで作品を発表したり、NYのタイムズスクエアで、コカコーラのビルボード広告を手がけたり。2016年には当時の大統領夫人ミシェル・オバマ主宰のチャリティのためワシントンDCで壁画を制作し、ミシェルにスプレーペイントを伝授したりも?
そう、世界中から招かれるんだ。アート関係だったり、アートとは直接関係のない団体だったり、色々さ。
── ホワイトハウスに招待されただけではなく、昨年末にはローマ教皇とコラボペインティングしたと聞きました。
そうなんだよ! 生活の場はLAだが、アーティストとしては世界すべてが舞台さ。
── あなたの息子さん=Hijack(ハイジャック)もアーティストの道を選びましたね。落とし穴も多い熾烈なアート界に飛び込むことに、親として不安はありませんでしたか?
喜ばしいし、とても誇りに思っている。ロンドンで初の展覧会を開いたのが20才の時で、現在27才。才能に恵まれていて、私とは違う独自の方向性を切り拓いている。肉は食べない、レザーも着ない、ペットボトルの水は飲まないという今どきの若者で、地球のために行動する。だから彼のアートも世界を救うためのものなんだ。
私はHijackに口出ししない。私の忠告に耳を傾けているようで、まったく逆の行動に出たりするしね。私とは別の人間だし、そうあってほしい。いわば自分の「進化版」だね。いいものを持っているから、私よりもうんと大物になるよ(笑)!
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