ART
Chim↑Pom14年間の軌跡を収録した作品集から、代表作をおさらい!
June 21, 2019 | Art, Culture | casabrutus.com | text_Housekeeper
ときにユーモラスに、ときに人を食ったような作品で、見えざる社会の矛盾や違和感を可視化してきたChim↑Pom。結成から14年間に渡る活動の歩みを全収録した作品集が発売された。
昨年11月末に天王洲の寺田倉庫アートコンプレックスに誕生した国内最大級のギャラリー〈ANOMALY〉のこけら落としの大型展「グランドオープン」を行い、作品は、今年ニューヨークの〈ソロモン・R・グッゲンハイム美術館〉のパブリックコレクションに収蔵が決まるなど、国際的なアートシーンでの活動や認知がますます広がっているChim↑Pom。
その初期から最新までの活動を292ページにまとめた作品集『We Don’t Know God: Chim↑Pom 2005–2019』が発売された。
紙面より、彼らの代表作を抜粋して紹介する。
その初期から最新までの活動を292ページにまとめた作品集『We Don’t Know God: Chim↑Pom 2005–2019』が発売された。
紙面より、彼らの代表作を抜粋して紹介する。
2014年にChim↑Pomメンバーのエリイの結婚披露宴として行われたパーティとデモ。深夜から夜通し会場で酒を飲んで騒ぎ続け、翌朝から街頭デモへ移行。新宿歌舞伎町から歩き始め、西新宿に設置されているロバート・インディアナのパブリックアート『LOVE』を目指した。タイトルはデモが『LOVE』で解散し、参加者各々がその先へと「越えていく」状況にちなみ、ジョン・レノン&オノ・ヨーコによる「WAR IS OVER!」をもじって名付けられた。
社会的・公的な行為である結婚を、申請を必要とするデモとパーティによって描くことで、婚姻制度や婚期などにまつわる社会的抑圧、パブリックアートの異化による公共圏の奪取。合法的な路上パーティから見る風営法の問題、さらに無差別的な愛の披露としての皇室結婚パレード、祭事としての「狐の嫁入り」など、さまざまかつ日本的な要素が「警察に警護されたデモ」という状況で可視化された。
社会的・公的な行為である結婚を、申請を必要とするデモとパーティによって描くことで、婚姻制度や婚期などにまつわる社会的抑圧、パブリックアートの異化による公共圏の奪取。合法的な路上パーティから見る風営法の問題、さらに無差別的な愛の披露としての皇室結婚パレード、祭事としての「狐の嫁入り」など、さまざまかつ日本的な要素が「警察に警護されたデモ」という状況で可視化された。
スーパーラットを網で捕獲し、その剥製をアニメ『ポケットモンスター』のキャラクター「ピカチュウ」に模して黄色く着色し、展覧会ごとに異なるジオラマの中に設置。捕獲する映像とともに展示した作品。なお、「スーパーラット」とは殺鼠剤などの毒への耐性を遺伝しながら、都市圏で爆発的に増えているネズミの通称であり、ネズミ駆除者による造語。都市の中で自らを生き生きと進化させ、人間との共存を続けるスーパーラットたちは自分たち自身の肖像であり、そこに放射能汚染後を生きる日本人の姿をも見出した。
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