ARCHITECTURE
建築家・田根剛の思考を、初台と乃木坂で体験しよう。
| Architecture | casabrutus.com | photo_Satoshi Nagare text_Yoshinao Yamada editor_Keiko Kusano
パリを拠点に活動する建築家・田根剛。その初めての大型個展『田根剛|未来の記憶 Archaeology of the Future』が、初台の〈東京オペラシティ アートギャラリー〉と乃木坂の〈TOTOギャラリー・間〉で同時開催されています。両館の展示の見どころを追ってみました。
幅広い分野で注目を集める若手建築家、田根剛。フランス・パリを拠点に活動する田根は、大学在学時から海外を拠点とし、わずか26歳で国際的なコンペを勝ち取る。それが、2006年にイタリア人建築家のダン・ドレル、レバノン人建築家のリナ・ゴットメとともに挑んだ〈エストニア国立博物館〉の国際設計競技だ。それまで設計事務所の一スタッフだった彼らは、急遽パリで事務所を立ち上げることに。そうして設立されたDGT.は10年の歳月をかけて〈エストニア国立博物館〉を完成させ、2016年に開館を果たした。
この間、田根は日本でも「新国立競技場 国際デザイン・コンクール」で古墳スタジアム案を発表。木々に覆われたスタジアムという大胆なアイデアが話題を集めたことは記憶に新しい。〈エストニア国立博物館〉の完成を機にDGT.は解散し、田根はそのままパリで「Atelier Tsuyoshi Tane Architects」を開設。現在は、ヨーロッパや日本をはじめ、ニューヨークなどでもプロジェクトを進めている。
そんな田根が、都内で初の大型個展、それも、〈東京オペラシティ アートギャラリー〉と〈TOTOギャラリー・間〉の2館同時開催。タイトルは『Archaeology of the Future ─ 未来の記憶』とされ、この共通テーマに基づき、2館で田根の活動と思考の一端を紹介する。
「Archaeology」とは、考古学、または遺跡のこと。「建築は未来の記憶」と話すように、田根の建築をユニークなものにしているのは、建築を考えるうえで考古学者のように遠い時間を遡って、場所の記憶を発掘する点にある。そんな姿を反映するように、展示はさながら古くヨーロッパで発展した「驚異の部屋」を思わせるものとなった。自然物や絵画、標本などさまざまなものを集め、後に大英博物館をはじめとする博物館へと発展していった「驚異の部屋」。田根が何に出会い、何を思い、何に着想を得たのか。時に考古学者のように、時に哲学者のように、建築が生まれる場所の記憶を探る田根らしい多様な要素が会場に提示されている。ではさっそく、〈東京オペラシティ アートギャラリー〉の展示から見ていこう。
「Archaeology」とは、考古学、または遺跡のこと。「建築は未来の記憶」と話すように、田根の建築をユニークなものにしているのは、建築を考えるうえで考古学者のように遠い時間を遡って、場所の記憶を発掘する点にある。そんな姿を反映するように、展示はさながら古くヨーロッパで発展した「驚異の部屋」を思わせるものとなった。自然物や絵画、標本などさまざまなものを集め、後に大英博物館をはじめとする博物館へと発展していった「驚異の部屋」。田根が何に出会い、何を思い、何に着想を得たのか。時に考古学者のように、時に哲学者のように、建築が生まれる場所の記憶を探る田根らしい多様な要素が会場に提示されている。ではさっそく、〈東京オペラシティ アートギャラリー〉の展示から見ていこう。
Loading...
Loading...
