ARCHITECTURE
建築家・坂茂の設計による女川駅が完成しました。
March 23, 2015 | Architecture | casabrutus.com | photo_Shinichi Ito text_Jiro Tsukamoto
震災復興のトップランナーと評される宮城県女川町。着々と進む町の再生の第一歩、JR女川駅舎が2015年3月21日にオープンしました。それは世界的な建築家と日本画家による競演の場でもありました。
「出発進行!」車掌の号令が4年ぶりに響き渡り、新生・女川駅を背に列車がゆっくりと動き出す。震災により不通となっていた石巻線の全線開通と新駅舎の開業式典での感動的なクライマックスだ。
東日本大震災での高さ14.8mの津波により、人口1万人のうち827人ものかけがえのない命と、建物の8割が被災した女川町。現在、若者を中心とした議論を経て先進のコンパクトシティをめざす復興計画が進められている。その計画のシンボルとして位置づけられ、先行して建設されたのがこの駅だ。
東日本大震災での高さ14.8mの津波により、人口1万人のうち827人ものかけがえのない命と、建物の8割が被災した女川町。現在、若者を中心とした議論を経て先進のコンパクトシティをめざす復興計画が進められている。その計画のシンボルとして位置づけられ、先行して建設されたのがこの駅だ。
旧駅舎から約200m内陸の高さ9mかさ上げされた地に建つ、3階建ての新駅舎。駅の建物には、かつて駅に隣接していた町営の温浴施設「女川温泉ゆぽっぽ」、ギャラリーなどが併設されている。設計は建築家の坂茂。式典のために女川を訪れた坂に尋ねてみた。
Q まずは震災後の女川町での取り組みについて教えてください。
2011年4月に最初に訪れ、避難所の間仕切りシステム、コンテナを利用した3階建ての仮設住宅をつくってきました。この駅舎は2013年8月に町から依頼されたものです。
Q 外観について教えてください。
人が集まる建築にとって屋根がとても重要だと思います。そこで、羽根をひろげるウミネコをイメージした、シンボルとなる大きな屋根をつくろうと思いました。
Q 新生・女川駅で心がけたことはどのようなことでしょうか?
駅という機能はもちろんですが、まだ多くの方が不自由な仮設住宅に住んでいるなかで、町の「居間」や「浴室」として、心身ともにくつろぐことのできる、親しみある場をつくろうと思いました。
坂の言葉どおり、白くのびやかな大屋根は、造成されたばかりの土地にウミネコが舞い降りたかのような親しみやすいデザインだ。その屋根には透過性のある膜素材を採用。自然光を「ゆぽっぽ」の浴室や休憩室に導く。それが気候や時間で変化する、柔らかな光に包まれた空間を生み出している。
2011年4月に最初に訪れ、避難所の間仕切りシステム、コンテナを利用した3階建ての仮設住宅をつくってきました。この駅舎は2013年8月に町から依頼されたものです。
Q 外観について教えてください。
人が集まる建築にとって屋根がとても重要だと思います。そこで、羽根をひろげるウミネコをイメージした、シンボルとなる大きな屋根をつくろうと思いました。
Q 新生・女川駅で心がけたことはどのようなことでしょうか?
駅という機能はもちろんですが、まだ多くの方が不自由な仮設住宅に住んでいるなかで、町の「居間」や「浴室」として、心身ともにくつろぐことのできる、親しみある場をつくろうと思いました。
坂の言葉どおり、白くのびやかな大屋根は、造成されたばかりの土地にウミネコが舞い降りたかのような親しみやすいデザインだ。その屋根には透過性のある膜素材を採用。自然光を「ゆぽっぽ」の浴室や休憩室に導く。それが気候や時間で変化する、柔らかな光に包まれた空間を生み出している。
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