ARCHITECTURE
愛される建築とは何ですか? 大西麻貴+百田有希に聞きました。
『カーサ ブルータス』2024年11月号より
October 25, 2024 | Architecture | a wall newspaper | photo_Kenya Abe text_Yoshinao Yamada
公共建築からヴェネチアビエンナーレのキュレーションまで、幅広い活躍を見せるo+hの展示が始まりました。
詩人のT・S・エリオットは詩の概念を、「今までに書かれたあらゆる詩の生きた全体」と言った。その言葉を展覧会名に引用した建築家の大西麻貴と百田有希もまた、建築を考えるときに建築そのものを含む「生きた全体」を考えたいという。たとえば山形県の児童遊戯施設〈シェルターインクルーシブプレイス コパル〉は、車椅子を含むすべての人の動線であるスロープが子どもたちの遊び場にもなる空間が広がる。誰もが自分の居場所を見つけることができるよう「生きた全体」を考え、建築を通した社会の理想形を示そうと二人は試みる。
展覧会を「旅のようにつくろうと考えました」と大西は言う。3階の展示は彼らが考え続けているテーマ、生き物のような建築、道としての建築、私たちの時代の理想郷、なにを一つとして捉えるかという4つの大きなコンセプトを伝えるもの。大小問わず「内側の世界と外側の世界をつなぐ役割を担う建築に興味を持ち続けています。小さな居場所から大きな環境にまでつながる建築を実現したい」と大西。建築そのものは単体であっても「その建築を通して、街のあり方や人々の暮らし方が見えるにはどうしたらいいのかをずっと考えています」と百田が言葉をつなぐ。
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