【静岡県・浜松市】藤森照信が手がけた〈秋野不矩美術館〉と、天竜地区を歩く。|甲斐みのりの建築半日散歩
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地元・浜松産の素材を駆使して建てられた〈秋野不矩美術館〉。

廊下を活かした第1展示室の床には、不矩さんのアトリエの床と同じように籐ござが敷き詰められている。

展示室に先立つホールの柱・梁は、藤森氏とその友人から結成される「縄文建築団」によるもの。バナーで焼いて黒く炭化させることで、漆喰の白壁によく映える。

ホールの壁はわら入り漆喰。割りっぱなしの木材で作った椅子は、こちらも「縄文建築団」の作。

マケドニア産の白大理石を厚くスライスして敷き詰めた真っ白な空間の第2展示室。床の中央には空洞があり、藤森氏と不矩さんが天竜川で拾った石が収められている。

第2展示室中央の天窓。光によって、片方の窓が青く見えて、片方の窓が白く見える。

1階奥の階段から2階にかけてのコンクリートは木目の模様。型枠に杉板を張って作られている。

2階の市民ギャラリー前の柵や階段の手すりには、 丸棒を半分にした鋼材と杉板を合わせて使用。

藤森氏がイノシシに喩えた、全高約6メートルの茶室「望矩楼(ぼうくろう)」。美術館開館20周年を記念して、地元の材料を使い、地域の人々とともに作り上げた。

坂道のアプローチから美術館を見上げると、砦のような造形で丘の上に建つ様子がよく分かる。

外壁上部には木の雨樋を2箇所に設置。
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