ARCHITECTURE
ザハ・ハディドの初期ドローイング集、復刻。
October 23, 2014 | Architecture | a wall newspaper | photo_Satoshi Chiba text_Yuka Uchida
ザハを知るための新たな課題図書です。
かつて「アンビルトの女王」の異名を与えられたザハ・ハディドは、今や世界44か国でプロジェクトを動かす建築界の超売れっ子。10月18日からは東京で大規模な展覧会もスタートした。
そんな中、一冊の作品集が復刻された。創刊されたのは1986年。彼女の名を世界へ知らしめた1983年の香港「ザ・ピーク」コンペティションを含む、1976年~85年までのプロジェクト9作がまとめられている。もちろん、建築の写真は1点もない。緻密で、構成的なドローイングが示す通り、彼女の前衛的な作品は、この時点ではなにひとつ地上に完成していなかった。
そんなザハの才能にいち早く気づき、この作品集の制作に力を注いだのが、建築家の磯崎新、写真家・編集者の二川幸夫、そして当時AAスクールの校長だったアルヴァン・ボヤルスキーだとGA編集長の二川由夫氏。「ザ・ピーク」のコンペティションで彼女を見いだした磯崎は序文を。ボヤルスキーは16ページに及ぶ対談を行い、当時まだ30代だったザハの貴重な言葉も収録されている。
復刻にあたって彼女の新作を加える案もあった、と二川氏は話す。「しかし、結局は創刊当時のまま、手を加えることはしませんでした。この本には、ザハの建築の原点と、彼女の才能に向けられた3人の情熱が、ひとつの完結形として結晶しているのです」
対談の中でザハは〝ドローイングは事柄を発見する手助け〟と語っている。ザハを知るための必須図書だ。
そんな中、一冊の作品集が復刻された。創刊されたのは1986年。彼女の名を世界へ知らしめた1983年の香港「ザ・ピーク」コンペティションを含む、1976年~85年までのプロジェクト9作がまとめられている。もちろん、建築の写真は1点もない。緻密で、構成的なドローイングが示す通り、彼女の前衛的な作品は、この時点ではなにひとつ地上に完成していなかった。
そんなザハの才能にいち早く気づき、この作品集の制作に力を注いだのが、建築家の磯崎新、写真家・編集者の二川幸夫、そして当時AAスクールの校長だったアルヴァン・ボヤルスキーだとGA編集長の二川由夫氏。「ザ・ピーク」のコンペティションで彼女を見いだした磯崎は序文を。ボヤルスキーは16ページに及ぶ対談を行い、当時まだ30代だったザハの貴重な言葉も収録されている。
復刻にあたって彼女の新作を加える案もあった、と二川氏は話す。「しかし、結局は創刊当時のまま、手を加えることはしませんでした。この本には、ザハの建築の原点と、彼女の才能に向けられた3人の情熱が、ひとつの完結形として結晶しているのです」
対談の中でザハは〝ドローイングは事柄を発見する手助け〟と語っている。ザハを知るための必須図書だ。
『GA ARCHITECT 5 ZAHA M.HADID』
1976年〜77年の「マレーヴィッチのテクトニク」から、1985年の「トラファルガー広場計画」まで9つのプロジェクトにまつわるドローイングを収録。精密で、近未来的な世界観はビジュアルブックとしても強烈な存在感を放つ。4,200円。(GA gallery Bookshop TEL 03 3403 1581)。