孤高の建築家、白井晟一の謎に迫る展覧会|青野尚子の今週末見るべきアート
November 22, 2021 | Architecture, Design | casabrutus.com | photo_Shin-ichi Yokoyama text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
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〈懐霄館(親和銀行電算事務センター)〉(1973-75年)。第1期、第2期に続いて白井晟一が手がけた長崎県の〈親和銀行本店〉第3期計画として作られたもの。巨大なコンピュータを収めるための施設だが、水盤のある吹き抜けや噴水のある10階サロンなど、人間の思索の場をも内包するかのような建物となった。撮影:柿沼守利。
会場の〈渋谷区立松濤美術館〉1階ロビーに展示された〈ノアビル〉模型。美術館の丸窓が背後に見える。石造りのような外観にこの丸窓のような和の要素を組み合わせるのが面白い。
〈ノアビル〉模型と並んで展示されている「原爆堂計画」模型。この二つの模型は美術家、岡﨑乾二郎の指導の下に制作されている。白井建築の量感が伝わる。
実現しなかった「原爆堂計画」模型。右の「エントランス・パビリオン」から左の展示室までは地下道でつながれるプランだった。この模型ではテーブルの下に地下道が作られている。
2階展示室の展示風景。円形の建物にあわせて緩やかに弧を描く。家具なども白井がセレクトした。
展示室の天井から下がる照明は秋田県「稲住温泉」の〈浮雲〉のもの。これも白井のデザインだと考えられている。
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