ARCHITECTURE
【独占】SANAAが描く建築の意味と未来とは? 最新展覧会『環境と建築』が開催!
『カーサ ブルータス』2021年12月号より
| Architecture, Design | a wall newspaper | photo_Masanori Kaneshita text_Sawako Akune
妹島和世+西沢立衛/SANAAの展覧会『環境と建築』が、〈TOTOギャラリー・間〉にて開催中。2人の建築へのアプローチを体感できる今展について、そして彼らの作る建築と環境の繋がりについて、妹島さん、西沢さんへ独占インタビューを敢行しました。
「建築が人と環境を切り離す “境界” になるのではなくて、むしろ周囲の敷地に溶け込んでいくような、そこにいる人たちが環境に繋がっていくような場になるといい。私たちのそんな考えを伝える展示を目指しました」
乃木坂〈TOTOギャラリー・間〉で開催中の妹島和世+西沢立衛/SANAA展『環境と建築』でそう話す妹島。本会場での展示は、建築家としての活動を始めて今回で3回目。
乃木坂〈TOTOギャラリー・間〉で開催中の妹島和世+西沢立衛/SANAA展『環境と建築』でそう話す妹島。本会場での展示は、建築家としての活動を始めて今回で3回目。
最新展の中心は、現在世界各地で絶賛進行中のプロジェクトだ。中国・深圳市の約10万平米(!)の海洋博物館、2024年度完成予定の〈新香川県立体育館〉、第2次世界大戦時に使われていた廃油タンクも利用するオーストラリア・シドニーの州立美術館の増築、アントワープの高層マンション……と規模も用途もさまざまな17作品が、2フロアの会場で展開している。妹島が話す。
「ギャラリー・間はあまり大きくはない会場ながら、下階と上階に分かれ、さらに外部空間もあって展示が難しい(笑)! それだけに挑戦のしがいもあります。今回は、下階では周辺環境と建物の関係を示す全体模型を、上階ではそれぞれの設計段階におけるディテール模型を展示しています」
「ギャラリー・間はあまり大きくはない会場ながら、下階と上階に分かれ、さらに外部空間もあって展示が難しい(笑)! それだけに挑戦のしがいもあります。今回は、下階では周辺環境と建物の関係を示す全体模型を、上階ではそれぞれの設計段階におけるディテール模型を展示しています」
プロジェクトを鳥瞰できる下階の模型群を通じて見えるのは、建築と周辺環境を一体に考えていくSANAAのダイナミックな視点。一方で上階の模型群は、そのダイナミックさを成り立たせるディテールがどれほどに繊細なものかを教えてくれる。西沢が話す。
「下階の模型は敷地と建物の関係性を、上階の模型は建物の骨格と柱梁の関係性を考えている過程です。“最適な関係性を築く” という意味では、実はどちらのアプローチも同じなんですよ」
設計の各段階によって視点のありかを変えていく。その視点の変化の自在ぶりと、どこかの視点に偏らない自由さには感嘆するばかり。妹島の言葉通りに小ぶりの会場ながら、たっぷりと「建築を見た」という気持ちになれる展示だ。
「下階の模型は敷地と建物の関係性を、上階の模型は建物の骨格と柱梁の関係性を考えている過程です。“最適な関係性を築く” という意味では、実はどちらのアプローチも同じなんですよ」
設計の各段階によって視点のありかを変えていく。その視点の変化の自在ぶりと、どこかの視点に偏らない自由さには感嘆するばかり。妹島の言葉通りに小ぶりの会場ながら、たっぷりと「建築を見た」という気持ちになれる展示だ。
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