【山口・長門市】 神に護られた、山口県最古の温泉〈恩湯〉へ。|甲斐みのりの建築半日散歩
| Architecture, Culture, Design, Food, Travel | casabrutus.com | photo_Ryumon Kagioka text_Minori Kai
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長門湯本温泉の立ち寄り温泉〈恩湯〉内部。岩盤上の住吉大明神像を中心に、右手が男湯で、左手が女湯。

音信川と雁木広場の間に建つ〈恩湯〉。東側が温泉で、西側が飲食棟。

音信川にかかる千代橋が、「神授の湯」という聖域への入口の役目を果たす。

施設の中心に置かれた番台が、浴場とガラス窓に囲まれた休憩所を隔てる。家具の製作は香川の「アンチポエム」。

浴槽に浸かりながら、岩盤からこんこんと湯が湧き出る風景を眺められる。温泉の温度は39度ほどと人の体温に近く、岩盤から湧き出たままの状態で浴槽に流れ込む。

「神授の湯」と呼ばれる温泉の、脱衣所から浴場までは、参道のような役割を果たすためあえて少し長めに距離が取られている。面積そのものはこじんまりとしているが、建築家・岡昇平が、神聖な恩湯の歴史、温泉街や自然との調和を考え抜き、建築的にも見どころあまた。

〈恩湯〉広場前の音信川には複数の飛び石が。川の流れやせせらぎを、より身近に感じられる。

3面をガラス扉に囲まれた入浴者専用の休憩所では、湯上りに、ほうじ茶味のソフトクリームやビールを楽しめる。写真はミックス400円。

恩湯の隣に位置する飲食棟〈恩湯食〉には、長門名物の長州どり、手作り豆腐、旬の魚介、季節の野菜や果実を使った、体に優しい料理がメニューに並ぶ。
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