【大阪・なんば】国の有形文化財に泊まる。|甲斐みのりの建築半日散歩
| Architecture, Design, Food, Travel | casabrutus.com | photo_Makoto Ito text_Minori Kai
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世界各地に宿泊施設を保有するアスコット社が運営する〈シタディーンなんば大阪〉。現在、大阪のメインストリートは御堂筋だが、この建物がほぼ現在の形となった1937年(昭和12)当時は堺筋が一番大きな通りで、いくつもの百貨店が建ち並んでいた。

堺筋に面する、「1ベッドルームツイン」タイプの客室。アーケードのアーチが活かされた窓から見えるのは電気屋街の風景。立地も便利なデザインホテルながら手頃な料金で宿泊できる。

ホテルのエントランスには百貨店風の装飾壁が。

〈高島屋史料館〉につながるエスカレーター前のエントランス。ホテルのリノベーションにあたり大理石の階段は封鎖されたが、往時の雰囲気が残される。建物は2019年(平成31)、国の登録有形文化財に指定された。

通気口のデザインのモチーフは、古代ギリシア以来、建築物の装飾に使用されてきた植物・アカンサス。

アーケードの長さは67メートル。完成時は人々の目を釘付けにしたという。

アーケードのタイルにも、アカンサスの意匠。

耐震工事を手がけたのは竹中工務店。正面入口は極力、オリジナルデザインを残すよう努めたという。

正面入口の天井照明。入口や、階段、エレベーター周りは、建物の格を表す顔なので、特に贅沢に作られている。

〈高島屋史料館〉で見られる高島屋の歴代の包装紙。シンボルフラワーにバラの花が使われるようになったのは、1952年(昭和27)から。

デザインやコピーが秀逸な、これまでの広告宣伝物をまとめて展示するコーナー。

昭和初期に、高島屋の専属デザイナーだった、アメリカ人のドロシー・エドガースによる婦人服を、デザイン画や写真を参考に再現。

〈高島屋史料館〉内のトイレに続く通路の途中に残る、旧式のエレベーター。味がある手書きの文字。
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