レアンドロ・エルリッヒ:見ることのリアル | カーサ ブルータス Casa BRUTUS facebook-a facebook instagram line twitter youtube

レアンドロ・エルリッヒ:見ることのリアル

『カーサ ブルータス』2017年12月号より

床に寝そべっているのに建物の壁をよじ登っているように見える。試着室なのに自分の姿は見えなくて、無限に続くかのような試着室の迷路をさまよう。レアンドロ・エルリッヒは鏡や水、ガラスなどを使ってトリッキーなアートを作り出す。このたび、過去最大級の個展が東京で開かれる。

《精神分析医の診察室》2005年。観客が亡霊のように、部屋の中に映り込む参加型の作品。
展示風景:プロア財団、ブエノスアイレス、2013年 
撮影:Clara Cullen ※参考図版
出品点数は約40点、8割が日本初公開だ。この展覧会のために制作された新作《教室》は廃校になった学校の教室が舞台。誰もいない教室に自分の影が幽霊のようにぼんやりと映り込む。懐かしいような、寂しいような気持ちになる。水面に浮かぶボートは水の揺らぎでゆらゆらと漂うように見える。でも実は水などなくて、水面に映るボートの影に見えるのは、ボートと同じ素材でできた立体物だ。

彼の作品を見ていると、人間は実に簡単にだまされてしまうのだと感じる。でもその後で必ず、笑いがやってくる。トリックに引っかかったほうが楽しいアートなのだ。
《スイミング・プール》2004年。金沢21世紀美術館の人気作品。水の下に人がいるように見える。
所蔵:金沢21世紀美術館 撮影:木奥惠三 
画像提供:金沢21世紀美術館 ※参考図版
《建物》2004年。床に寝ている人がまるで建物の壁に取り付いているよう。
展示風景:ニュイ・ブランシュ、パリ、2004年 ※参考図版
《スイミング・プール》2004年。金沢21世紀美術館の人気作品。水の下に人がいるように見える。
所蔵:金沢21世紀美術館 撮影:木奥惠三 
画像提供:金沢21世紀美術館 ※参考図版
《建物》2004年。床に寝ている人がまるで建物の壁に取り付いているよう。
展示風景:ニュイ・ブランシュ、パリ、2004年 ※参考図版

〈森美術館〉

東京都港区六本木6-10-1
六本木ヒルズ森タワー53F。 TEL 03 5777 8600(ハローダイヤル)。11月18日〜2018年4月1日。10時〜22時(火〜17時)。会期中無休。1,800円。