ART
奇跡の展覧会!? フェルメール12点がルーヴルにやってきた!
April 10, 2017 | Art, Travel | casabrutus.com | photo_Yuji Ono text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
ルーヴル美術館に12点ものフェルメールが集結! 真作は約35点といわれる彼の作品の実に3分の1がアメリカ、イギリス、ドイツ、そして、もちろんオランダからパリにやってきました。世界中を回らないと見られない傑作を一堂に集めた展覧会のレポートです。
日本でもファンの多いフェルメールは、これまでも日本で展覧会が開かれてきた。2008年に東京都美術館で開催された『フェルメール展ー光の天才画家とデルフトの巨匠たち』には一挙7点が来日した。が、パリのルーヴル美術館で開催中の『フェルメールと風俗画の巨匠たち』展には、それを上回る12点が並ぶ。しかもフェルメールが独自の画風を確立した後期のものが中心だ。こんな機会はそうない。ルーヴル美術館でもチケットは数日先まで売り切れている。
フェルメール(1632〜1675年)が活躍した当時のオランダは、経済的にも文化的にも黄金時代を迎えていた。17世紀初頭に設立されたオランダ東インド会社による日本やアジアとの交易などによって、莫大な富がもたらされていたのだ。それによって潤った商人や中産階級は、こぞって家に飾る絵を買い求める。それまで教会の注文に応じて描かれた宗教画に替わって、購買者である市井の人々を描いた風俗画が量産された。フェルメールやこの展覧会で取り上げられているヤン・ステーン、ピーテル・デ・ホーホらは裕福な市民たちに重用され、何気ない日常の一コマをていねいに描いた絵で人気を博した。
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