ビョークの口の中で歌を聴く! VRで“感じる”展覧会。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

ビョークの口の中で歌を聴く! VRで“感じる”展覧会。

東京でビョークの展覧会が開催中! でも単にビョークのPVや写真を見る展覧会ではありません。最新のVR(ヴァーチャル・リアリティ)技術で360度ビョークの世界に包まれる展示です。ビョークが展開する最新の“実験”を体験してきました。

「Stonemilker」Andrew Thomas Huang監督。実際には吹いてこない風まで感じられる。 ©Andrew Thomas Huang
会場では「Stonemilker」「Mouth Mantra」「Not Get」3曲のVRが展示されており、観客は案内に従って、この順番でVRを体験することになる。これはアルバム『ヴァルニキュラ』に収録された順。『ヴァルニキュラ』はあるストーリーに基づいて作られており、その物語に沿ってビョークの世界を味わって欲しいとの考えからだ。
変幻自在に移動するビョーク。 ©Andrew Thomas Huang
最初の「Stonemilker」はアイスランドで撮影されたもの。荒涼とした風景の中、色鮮やかな黄色い衣裳をまとったビョークが歌い踊る。ヘッドセットをつけたまま振り返ると黒い岩や砂、水に覆われた大地が広がる。足下には星空が見える、SF的風景だ。ビョークはときに分裂し、瞬間移動する。どこか知らない惑星でビョークと出会ったような感覚に陥る。
Jesse Kanda監督の「Mouth Mantra」。歌っているビョークの口の中。 ©Jesse Kanda
自分がどこに連れてこられたのか一瞬わからなくなるのが「Mouth Mantra」だ。360度の視界に広がるのは妖しくうごめく赤いもの。実はこれ、ビョークの口の中に360度映し出せる小さなカメラを入れて撮影したものだ。つまり観客はビョークの口の中にいて、ビョークの歌を聴くことになる。カメラはときどき口の外に出て、ビョークの顔を映し出す。歯やノドらしきものも見えて、ぬめぬめした感触まで感じられるような気分になる。
「Mouth Mantra」。口の中と外を行き来する。 ©Jesse Kanda