バンクシー作品をストリートごと再現した『バンクシーって誰?展』とは何か? | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

バンクシー作品をストリートごと再現した『バンクシーって誰?展』とは何か?

東京・天王洲の〈寺田倉庫G1ビル〉で開催中の、日本では2つ目となるバンクシーをテーマにした非公式(unauthorised)の展覧会『バンクシーって誰?展』は、バンクシーが描いたグラフィティをストリートごと再現した展示が特徴。そこで、展示内容をCasa BRUTUS特別編集『バンクシーとは誰か?【完全版】』に掲載した実際の作品を引用しながら紹介します。

《風船と少女》の再現展示。木工パネルで製作した橋の模型に、作品をプリントして再現している。
Casa BRUTUS特別編集『バンクシーとは誰か?【完全版】』より。《風船と少女》はバンクシー自身による限定のプリント版も定期的に制作されている。そのうちの1つが2018年のサザビーズオークションで出品され、落札されると同時にシュレッダーで細断された“シュレッダー事件”は、日本のお茶の間をも揺るがした。
『バンクシーって誰?展』は、世界各地を巡回した『ジ・アート・オブ・バンクシー展』の作品群の一部を用いながら、日本独自の切り口で再構成した非公式(unauthorised)の企画展。展示内容は、ブリストル、ロンドン、ニューヨーク、パレスチナなどの各都市で、これまでバンクシーが投下してきた作品をストリートごと再現した展示と、コレクターが所蔵するシルクスクリーンやキャンバス作品で構成される。

ストリートを再現した展示の数々は、普段はテレビ番組や映画のセットを担当するテレビ局の美術チームが集結して手がけた。現在は作品の発表を公式サイトやインスタグラムで行うことも多いバンクシーだが、場所を選び抜き、周囲の風景をも作品の一部に組み込む「サイト・スペシフィック」という手法を得意とするアーティストであり、作品の舞台は常にストリートにある。本展の内容を、Casa BRUTUS特別編集『バンクシーとは誰か?【完全版】』に掲載した実際の作品とともに、順を追って見ていこう。

会場を入るとすぐ、2020年末に発表され話題を呼んだ『Aachoo!!』の再現展示が出現する。おばあさんのくしゃみで家や男が吹き飛ばされそうになる様子を、バンクシーのお膝元ブリストルに描いたトリックアートであり、コロナ禍が依然として続く時期に発表され、医療福祉よりも経済政策を優先して感染状況を悪化させた政府を批判した作品だ。
『Aachoo!!』の再現展示。斜面に立つ家や作品の描かれた壁面などは、木工パネルで再現した。
Casa BRUTUS特別編集『バンクシーとは誰か?【完全版】』より。坂道に建つ住宅の壁に描き、斜面が水平になるよう撮影。すると家が斜めに傾いたようになり、おばあさんのくしゃみで家や男が吹き飛ばされそうになる様子を表現した。
先へ進むと、同じくブリストルに描かれたフェルメールの代表作《真珠の耳飾りの少女》のパロディ作品《Girl with a Pierced Eardrum》が登場。昨年、ブリストルにあるこの壁画の上に、ちょうど鼻と口をふさぐように布マスクが付け加えられたが、バンクシー本人によるものかは依然として不明のままだ。本展では、そんな最新版の壁画を再現した。
2014年に発表された《Girl with a Pierced Eardrum》の再現展示。木工パネルで作られた壁に作品をプリントし、隣の窓も再現した。左下のシャッターも、木工パネルで再現している。
Casa BRUTUS特別編集『バンクシーとは誰か?【完全版】』より。撮影はコロナ禍前の2019年12月で、マスクはまだ描かれていなかった。本来真珠のイヤリングがあるべきはずの場所に、壁に付けられた黄色い警報機が位置している。英国のセキュリティ産業を揶揄した作品だ。photo_Yuji Ono
バンクシーがロンドンのウォータールー駅近くの高架下を借り切って主催したグラフィティアートの祭典『カンズ・フェスティバル』で実際に描かれたバンクシーの壁画や、フランスの移民・難民対策に抗議をして《レ・ミゼラブル》の少女コゼットが催涙弾で涙を流す様子とQRコードを描いた壁画の再現展示などが続く各エリアを抜けると、飛び込んでくるのはピンク色にペイントされた巨大な象の模型。2006年、バンクシー自身がアメリカ・ロザンゼルスで3日間のみ開催した個展『Barely Legal』を再現したセットだ。
会員プログラム

登録者数12,000人突破!

建築家のアトリエ見学/名作家具プレゼント/限定メールマガジン…すべて無料。

建築家のアトリエ見学に、名作家具プレゼントも。

いますぐ登録!