刀剣と杉本博司「海景」、その接点を兵庫県・姫路の歴史的建造物で観る。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

刀剣と杉本博司「海景」、その接点を兵庫県・姫路の歴史的建造物で観る。

杉本博司の「海景」シリーズが、〈姫路市立美術館〉の『日本の心象 刀剣、風韻、そして海景』展に登場している。刀剣と「海景」、一見、全く共通点がないように感じられる両者の接点とは?

●杉本博司「初めて見た水平線は日本刀の刃先のようだった」

「海を初めて見た時は驚きだった。(中略)それは真鶴から小田原へと向う東海道線の列車の中からだった。(中略)海景は左から右へと流れていた。秋だったのだろうか。その日は目の醒めるような快晴で空気は澄み渡っていた。(中略)その水平線は群青色の海と明るい空とを隔てて、日本刀の刃先のようにこの上もなく鋭い線を引いていた。」
(杉本博司「幼少の砌(みぎり)」/森美術館「杉本博司|時間の終わり」公式図録『HIROSHI SUGIMOTO』、2005年)

刀剣と杉本博司「海景」を並べる展覧会と聞いて、まず思い浮かんだのは上の一節である。兵庫県の〈姫路市立美術館〉で『日本の心象 刀剣、風韻、そして海景』という展覧会が開催されている。
もとは旧陸軍の建物、戦後、市庁舎として使われた時期を経て、現在は美術館。
世界文化遺産、国宝姫路城を背景にいただく煉瓦造りの建物が〈姫路市立美術館〉だ。もとは1905年(明治38年)に建てられた姫路陸軍兵器支廠(のちに第十師団兵器部)の倉庫でその後、増築。1945年の空襲でも姫路城とこの建物は難を逃れた。戦後、姫路市庁舎として使われ、市庁舎移転後、内部を鉄筋コンクリート造りに改装し1983年からは美術館である。2003年、国登録有形文化財に指定。

主に近現代美術を収集・展示する美術館だが、開館当初より収集された刀剣が29口(寄託含む)あり、近年調査が行われ、刀剣の美を現代の視点に立って照らし出す展覧会の構想が練られ、今回の展示に至る。
日本刀の刃文は世界の刀剣の中でも類を見ない多様さを誇る。日本刀の美を語る上で欠かせない。
「第1章 刀剣の光陰」では国宝《太刀 銘 国行(来)(号 明石国行)》(展示終了)を筆頭に国内の名刀49口が紹介される。これだけの点数が揃うと、それぞれの刃文(はもん:焼入れによって生じる模様のこと)が比較され、その多様さ、奥深さに引き込まれるものである。
国宝 太刀 銘 国行(来)(号 明石国行)鎌倉時代中期13世紀 刀剣博物館(公益財団法人日本美術刀剣保存協会)(展示終了)
第1章と第2章は現代の刀匠と鍛冶師、明珍兄弟による刀剣とたまはがね風鈴によるインスタレーションがつなぐ。
会員プログラム

登録者数12,000人突破!

建築家のアトリエ見学/名作家具プレゼント/限定メールマガジン…すべて無料。

建築家のアトリエ見学に、名作家具プレゼントも。

いますぐ登録!