あのフューチュラ2000がノグチの《AKARI》で作品を! | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

あのフューチュラ2000がノグチの《AKARI》で作品を!

『カーサ ブルータス』2021年2月号より

アカリはキャンバスだ! グラフィティアーティストとノグチが時を超えてコラボした展示が今、話題です。

ペインティングしたアカリ《UF4-L6》を抱えるフューチュラ2000。現在、〈ノグチ・ミュージアム〉で彼のアカリ作品が展示中だ。
《フューチュラ・アカリ》と共に、壁には絵画2点も。左に見えるのはKAWS所有の《El Diablo》(1985年)。photo_Nicholas Knight
The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum / Artists Rights Society (ARS)
フューチュラ2000とイサム・ノグチがコラボを遂げた! 〈ノグチ・ミュージアム〉の招きでフューチュラが取り組んだのは、《AKARI》のハンドペイントだ。ストリートグラフィティに抽象を持ち込んだ男、フューチュラの手によって名作照明は色彩の炸裂するアートピースへと生まれ変わる。この《フューチュラ・アカリ》は計11点、〈ノグチ・ミュージアム〉で現在展示中だ。

それにしても手漉き和紙と竹でできた繊細な照明に「ラクガキ」行為とは!? 実は今から50年前、アーティストがカスタマイズした《AKARI》をパリのギャラリーがチャリティー用に販売したことがある。参加作家は29名、ノグチ本人もその一人だ。ノグチにとってそもそも《AKARI》は「ユニット式で、カスタマイズでき、拡張できるもの」なのである。
エアロゾルの魔術師。自称 “地下鉄学派” のフューチュラが地下鉄にライティングしていた頃、ノグチは1986年、商業作品なんて!と猛反発を食らいながらヴェネチアビエンナーレに《AKARI》を出展する。アートと商業が融合する今の時代の先駆けだ。
《10A》がブルーに。
シグニチャーは当然ステンシルで。
〈ノグチ・ミュージアム〉のシニアキュレーター、デイキン・ハートはこう語る。「多くのクリエイターが、それぞれ個人的な理由からノグチに関心を抱くことにいつも驚かされる。フューチュラの世代にとってノグチは、どの流派にも属さない非・白人アーティストという当時まだ少ない存在で、いかに世の中に真正面から作品を受け入れさせるか奮闘していた人物でもある」。LAで日米の両親の元に生まれたノグチと、NYで多人種の両親に育てられ、独学でアートを身につけたフューチュラ。様々な媒体で表現するフューチュラに、彫刻や家具デザイン、舞台装置や庭園など、ジャンルを超えて天賦の才を発揮したノグチが重なって見えても不思議ではない。

デイキンはこう続ける。「アーティストとは、市場が要求し認める活動やカテゴリーの中に収まるべきではありません。ノグチはそうしたレッテルや、こうあるべきという既成概念を嫌っていたので、フューチュラが今回《AKARI》で新機軸を拓いたのを大いに喜んでいるでしょう」。先頃は「スクリーン越しではなく、直に作品を見てほしいから」とペインティングの個展も30年ぶりに開いたフューチュラ。最新の彼を《AKARI》で確かめてみたい。
一気呵成にペインティングを施す。
1962年にデザインされた《30P》もこの通り! 光の彫刻と呼ばれる《AKARI》に立体作品としての存在感が加わった。
《AKARI》を抱えて堂々ポーズ!

Futura2000

フューチュラ2000 NY生まれ。1970年代から活躍するエアロゾル・ライティングの始祖。ルイ・ヴィトンやコム デ ギャルソンとのコラボも手がけ、昨年はナイキのスニーカーをデザイン、63,000ドルもの値が付いた。

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