ART
柳宗悦も愛した「民画」の代表、大津絵の魅力に迫る。
September 25, 2020 | Art | casabrutus.com | text_Housekeeper
江戸時代に宿場の土産物として人気を博した大津絵。その中でも、近代日本の名だたる目利きたちによる旧蔵歴が明らかな作品約150点が集まる展示『もうひとつの江戸絵画 大津絵』が、〈東京ステーションギャラリー〉にて11月8日まで開催中です。
約150点の大津絵が集まる『もうひとつの江戸絵画 大津絵』展が、〈東京ステーションギャラリー〉にて11月8日まで開催中。文人画家の富岡鉄斎、洋画家の浅井忠、そして柳宗悦など当代きっての目利きたちが所蔵したことで知られる大津絵。本展では著名な目利きによる旧蔵歴が明らかな作品を集め、絵画としての大津絵の魅力に迫る。
そもそも大津絵を「民画」の代表と位置付けたのは、民藝運動の父、柳宗悦だ。その「民画」の特徴とは、(1)作者名が記されない、(2)実用性がある、(3)大衆の需要に応じて繰り返し描くために図柄が様式性を帯びている、(4)安価で提供するため絵に省略がある、(5)時として分業的で家族も制作に加わる、というものだ。
江戸時代初期より東海道の宿場大津周辺で量産され、土産物として人気を博した大津絵。大衆の喜ぶ絵を安価で素早く制作するため、型紙は版木押しを用いて手間を省き、短時間で彩色を施していた。そのため描く内容も時代とともに柔軟に変化し、はじめは仏画が中心だったものが、次第に鬼や動物、七福神など親しみやすい画題が増えていった。やがて形状を小型化し、護符としても使われたという。
本展では文化勲章を受章した洋画家・小絲源太郎が秘蔵した大津絵や、〈日本民藝館〉所蔵のコレクションを一気に公開。近代日本の文化人たちが旧蔵したことがわかる作品のみを展示しているため、旧蔵者がこだわった掛け軸の表装も見どころの一つだ。
江戸時代初期より東海道の宿場大津周辺で量産され、土産物として人気を博した大津絵。大衆の喜ぶ絵を安価で素早く制作するため、型紙は版木押しを用いて手間を省き、短時間で彩色を施していた。そのため描く内容も時代とともに柔軟に変化し、はじめは仏画が中心だったものが、次第に鬼や動物、七福神など親しみやすい画題が増えていった。やがて形状を小型化し、護符としても使われたという。
本展では文化勲章を受章した洋画家・小絲源太郎が秘蔵した大津絵や、〈日本民藝館〉所蔵のコレクションを一気に公開。近代日本の文化人たちが旧蔵したことがわかる作品のみを展示しているため、旧蔵者がこだわった掛け軸の表装も見どころの一つだ。
『もうひとつの江戸絵画 大津絵』
〈東京ステーションギャラリー〉東京都千代田区丸の内 1-9-1。TEL 03 3212 2485。〜11月8日。10時〜18時(金曜〜20時、入館は30分前まで)。月曜休(11月2日は開館)。入館料1,200円(入館券は事前購入制)。