クリスト&ジャンヌ=クロードの原点、パリの作品を振り返る。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

クリスト&ジャンヌ=クロードの原点、パリの作品を振り返る。

クリストがジャンヌ=クロードに出会い、アーティストとしての起点となったパリ。そのゆかりの地での60年余りに渡る創作活動を振り返る回顧展が、7月1日より〈ポンピドゥー・センター〉で開催される。

パリっ子を驚愕させたポンヌフ橋を乳白色の布で梱包した作品は、1985年9月16日〜22日まで登場。《The Pont-Neuf Wrapped(ポンヌフを包む)》Paris, 1975〜1985 ©Christo 1985 photo_©Wolfgang Volz
コロナ禍により会期が延期される中で、5月末にジャンヌ=クロードが待つ天国に旅立ってしまったクリスト。図らずも追悼展となってしまった今展は、来年9月に行われるエトワール凱旋門を実際に梱包するインスタレーションと並行して、〈ポンピドゥー・センター〉が企画したものになる。

1935年にブルガリアで生まれたクリストは、1958年にパリにてジャンヌ=クロード(2009年に他界)に出会い、2人はパートナーそしてコラボレーターとなる。展示は1964年にニューヨークに移住するまで、そのパリで製作された作品から始まる。古典的な美術教育を受けたクリストだが、この頃からドラム缶を使った作品、大小のモノを梱包する作品など、生涯追求したテーマが登場。1961年には建物などを梱包するアイディアが生まれた。1962年にはパリの凱旋門を梱包したコラージュ作品を発表しており、その後も2人は諦めず実現に向けた交渉を続けてきたことになる。
ベルリンの壁が建設されたことを受け、パリの路地をドラム缶で塞いだインスタレーション。《Temporary Wall of Oil Barrels – The Iron Curtain, rue Visconti》Paris 27 June 1962 ©Christo 1962 photo_©Jean-Dominique Lajoux
1963年、ヌーヴォー・レアリスムのメンバーとのグループ展で展示された、おもちゃの馬を梱包した作品。《The Private collection of the late Jan van der Marck》 USA ©Christo 1963 photo_©Dirk Bakker
後半は、1975年の構想に始まり1985年に実現させた《ポンヌフを包む》に関した展示になる。スポンサーに頼ることなく、ドローイングやコラージュを売って製作資金を調達してきた2人。立体作品のみならず、平面作品も素晴らしく見応えがある。作品を完成させるまでの難関な交渉も含め、全ての工程が芸術であることが伝わってくるだろう。この様子を収めたメイスルズ兄弟によるドキュメンタリー映像も会場内で上演されている。
1985年の《ポンヌフを包む》の制作の様子。2週間にわたる展示のために、多大な労力が費やされている。©Christo 1985 photo_©Wolfgang Volz
2人の亡き後になってしまったが、構想から60年を経て実現する《エトワール凱旋門の梱包》は会期中ではなく、来年2021年9月18日〜10月3日までの展示となる。
1962年に発表されたエトワール凱旋門を包んでしまうというプロジェクト。©Christo 1962 photo_©Shunk-Kender
来年9月に実現するエトワール凱旋門を包む作品のドローイング。©Christo 2018 photo_©André Grossmann

『Christo and Jeanne-Claude Paris !』

〈ポンピドゥ・センター〉
Place Georges Pompidou, 75004 Paris. TEL 33 1 44 78 12 33。7月1日〜10月19日。11時〜21時(木曜〜23時)火曜休。入場料15ユーロ。

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