ジョアン・ミロとガウディの共通点を探る展覧会。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

ジョアン・ミロとガウディの共通点を探る展覧会。

建築家、アントニ・ガウディと芸術家、ジョアン・ミロの共通点を写真家、ジョアン・ゴミスが紐解く展覧会がバルセロナで開催中!

ジョアン・ミロ作品《ガウディ・シリーズ No.13》1979年。  (c) ジョアキン・ゴミス相続者
1893年生まれの芸術家ジョアン・ミロと1852年生まれの建築家アントニ・ガウディは、41歳の年の差がありながら同時代を生きていた。まだ無名の学生だったミロは、1910年代にバルセロナの芸術学校で、すでに高名な建築家のガウディを見る機会があったが、二人の間に交友関係があった記録は残っていない。ミロがガウディを理解するようになったのはガウディの没後、ミロが絵画からその創作対象を広げ、彫刻や陶器の作品をつくるようになってからだ。

「自然」を師として美しい形や合理的な構造を学ぶ姿勢や、身近にある素材を独自の方法で用いることなど、ミロはガウディの作品の魅力を三次元の彫刻をつくりながら再発見した。ガウディの建築を訪れては、その感動をスケッチを用いながら友人への手紙に残している。とはいえ、ミロが共感したのはガウディの創作を支える哲学。ミロの作品とガウディの作品の間に一見して分かるような類似点があるわけでなない。後年のミロが「ガウディ・シリーズ」と題して制作した21枚のオマージュ作品の中にさえ、それと分かるようなガウディ的な絵図はひとつもないと言って良いほどだ。

そこで、この展示タイトルの3人目、ゴミス、なのである。ミロの親しい友人で、ミロ財団の初代会長を努めたジョアキン・ゴミスはミロとの関わりの中で歴史に名を残した写真家だ。彼の代表作品にガウディの建築写真集があり、彼は複雑で立体的なガウディの造形とその陰影を絶妙に“フレーミング”することで、ガウディ建築に新たな視野をもたらした。

そんなゴミスのガウディ写真とミロの彫刻作品を並べてみると、驚くほど明らかな共通点が見えてくる。ミロは人物の顔や女性の体などのモチーフを極限まで抽象化させることで、ガウディは建築スケールの構造体を具体的な材料や身体的なスケールに置き換えていくことで形を生み出した。その全く異なる形の中に、自然の何か、あるいは誰かを想起させるようなチャーミングな「表情」が突然重なって見えるのである。二人の巨匠に通底した見えない共通点を、ゴミスの作品を通して楽しみたい。
ジョアン・ミロ作品《ガウディ・シリーズ No.20》1979年。ジョアン・ミロ財団所蔵。
ガウディ作品《カサ・バトリョ》を訪れるジョアン・ミロ(左から2番目)。1944年、ジョアキン・ゴミス撮影。
ガウディ作品〈グエル公園〉内の、トレンカディス(粉砕タイル)の技法を用いてつくったセラミック装飾のディテール、ジョアキン・ゴミス撮影カタルーニャ州立アーカイヴ所蔵。 (c) ジョアキン・ゴミス相続者。バルセロナ、ジョアン・ミロ財団。
ガウディ作品「カサ・ミラ」の煙突のディテール、ジョアキン・ゴミス撮影。カタルーニャ州立アーカイヴ所蔵。 (c) ジョアキン・ゴミス相続者。バルセロナ、ジョアン・ミロ財団。
ジョアン・ミロ作品《Tête(頭部)》1949年 。ジョアン・ミロ財団所蔵。  (c) ジョアン・ミロ相続者。
ガウディ作品〈サグラダ・ファミリア〉内の、鉄製ディテール、ジョアキン・ゴミス撮影。
ジョアン・ミロ作品《Dona(女性)》1970年。

『ミロ−ガウディ−ゴミス展』

〈Fonacio Joan Miro Para de Montjuic〉
08038 Barcelona 〜10月6日。月曜休。10時〜20時。日曜〜15時まで。入場料13ユーロ。TEL +34 934 439 070。

AIがあなたにおすすめ

※過去の記事も表示されます