ブリューゲルの奇想絵画、巨大スクリーンでばっちり見せます! | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

ブリューゲルの奇想絵画、巨大スクリーンでばっちり見せます!

ブリューゲル一族の中でも人気の高いピーテル・ブリューゲル(父)。六本木ヒルズで彼の作品を巨大スクリーンで紹介するイベントが開かれます。細かすぎてよく見えない人物やモンスターをはっきりと大きく見られるチャンスです!

《ネーデルラントのことわざ》1559年 およそ80人の人々が100近い諺を表現する。「豚に薔薇を撒く」(猫に小判)、「一打で二匹の蝿をつぶす」(一石二鳥)など、日本人にも親しみが持てる諺も多い。 油彩 板 ベルリン 国立絵画館所蔵 (c) Gemaldegalerie der Staatlichen Museen zu Berlin - Preusischer Kulturbesitz,
Photo:Jorg P. Anders
今年はピーテル・ブリューゲル1世の没後450年の節目の年。六本木ヒルズの〈ヒルズカフェ/スペース〉で9月10日から開かれる『見たことがないブリューゲル〜巨大3スクリーンによる映像の奇跡』は《反逆天使の転落》など彼の代表作3作を3つの画面に映し出し、その細部に秘められたドラマを明らかにする、めずらしいイベント。この映像は2016年からベルギー王立美術館「ブリューゲル・ボックスの間」で公開され、人気となっているものだ。
ブリュッセルのベルギー王立美術館「ブリューゲル・ボックスの間」でも多くの人が楽しんでいる。
実物より拡大されて、絵の中に入り込むような気分になれる。
ブリュッセルのベルギー王立美術館「ブリューゲル・ボックスの間」でも多くの人が楽しんでいる。
実物より拡大されて、絵の中に入り込むような気分になれる。
ブリューゲルの絵には人物や背景が微細に描き込まれ、ときに何が描かれているのか判然としないものもある。このイベントではスーパー解像度によるカメラで画面を拡大し、スクリーンに投影する。肉眼ではごく小さなものにしか見えない人々の表情や彼らの道具に込められた深い意味、跋扈する怪物たちのインスピレーション源を紹介する。2017年に東京都美術館で展示された《バベルの塔》でも工事風景などが解説されたが、それ以上にディープなところまで掘り起こしているのが特徴だ(注:今回は《バベルの塔》の映像は展示されない)。
《反逆天使の転落》1562年 大天使ミカエル率いる天使軍団が堕天使たちを全滅させるという主題。最低でも50頭の怪物や悪魔はどれも個性豊か。人体や虫、は虫類の一部や楽器を組み合わせたユニークな形にはヒエロニムス・ボスや当時流行した博物学の影響が見られる。 油彩 板 ブリュッセル ベルギー王立美術館所蔵  (c) Royal Museums of Fine Arts of Belgium, Brussels
Photo: Grafisch BuroLefevre, Heule
ブリューゲルの絵は近年、修復や研究が進み、これまで暗い絵だと思われていたものにも鮮やかな色彩が隠されていたことなどがわかっている。また彼が当時、異国からもたらされた博物学的な最新情報をいち早くキャッチ、さまざまにアレンジして画面の中に散りばめていたことも明らかになってきた。彼の絵には、は虫類や楽器と人間を合成したような奇妙な生き物が登場する。異世界をのぞき込むような気持ちにさせる彼の絵は、こんなふうにして生まれてきたのだ。
《洗礼者聖ヨハネの説教》1566年 中央やや左上に描かれた聖ヨハネを囲んで、当時国際商業都市として栄えたアントワープにやってきた商人や旅行者、農民、傭兵、聖職者など200人ほどの人物が描かれる。熱心に耳を傾ける者からあくびをしている人まで、聴衆の反応もさまざまだ。 油彩 ブダペスト 個人蔵 (c) IRPA
今回〈ヒルズカフェ/スペース〉ではブリューゲル《農民の婚宴》で飲まれているとされる「ランビックビール」も販売する。いろいろな角度から新しい発見がありそうなイベントだ。
〈ヒルズカフェ/ スペース〉で販売される「ランビックビール」。ブリュッセル近郊の空気中にだけ生息する野生酵母を使った、強い酸味が特徴のビールだ。

見たことがないブリューゲル~巨大3スクリーンによる映像の奇跡~

〈六本木ヒルズ ヒルズカフェ/スペース〉東京都港区六本木6-11-1。9月10日~16日。11時~23時。12分の映像を繰り返し上映。入場無料。監修・企画:森洋子(明治大学名誉教授、ベルギー王立考古学アカデミー外国人会員)。