箱根の〈ポーラ美術館〉が初の現代アート展を開催。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

箱根の〈ポーラ美術館〉が初の現代アート展を開催。

モネ、セザンヌ、ピカソなど印象派を中心とした近代絵画を蒐集する〈ポーラ美術館〉が初めての現代美術展『シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート』を開催。現代作家たちによる挑戦的な作品が近代の名作と共演を果たす。

セレスト・ブルシエ =ムジュノ《クリナメン v.2》2013年 ポリ塩化ビニル製シート、ポンプ、加熱装置、陶磁器。 Installation view: Centre Pompidou-Metz (c) Céleste Boursier-Mougenot Photo: Rémi Bertrand
タイトルの『シンコペーション』とは、拍子やアクセント、リズムの正常な流れを故意に変えることを指す音楽用語。楽曲に表情や緊張感を与える手法であり、本展では現代作家による大型インスタレーションや音、映像、写真など多様性に満ちた作品が19、20世紀の巨匠たちの名作に呼応するように次々と現れる様子を表している。

フランスの現代美術家、セレスト・ブルシエ=ムジュノの作品は美術館の中の円形プールの水面に大小さまざまな白い陶器のボウルが浮かぶインスタレーション。水の上に漂う陶器は、自然の色彩と光を描いたクロード・モネの《睡蓮》を思わせる。陶器が偶発的にぶつかって澄んだ音を響かせたり、水の流れによって光景が移り変わるなど、瞬間的な楽しみも味わえる。
クロード・モネ《睡蓮》1907年 油彩/カンヴァス ポーラ美術館蔵。
音や聴覚にまつわる作品で知られるイギリス人アーティスト、オリヴァー・ビアは、陶器が音を奏で合うオーケストラのような作品を発表。エトルリアの陶器やコンゴの仮面、砲弾、ティーポットなど時代や国籍もバラバラな16点の器の奥にかすかに存在する「声」をマイクで捉えて音楽を生み出す実験的な作品。ポーラ美術館が収蔵する五彩花鳥文瓶など東洋の陶磁器はどんな音色がするのか想像が膨らむ作品だ。
オリヴァー・ビア《悪魔たち》(部分)2017年 16個の器、音響機器 フォーリンデン美術館蔵(ワッセナー、オランダ)。 Image courtesy of the artist and Galerie Thaddaeus Ropac (c) Oliver Beer Photo: Stephen White
鏡、ガラス、ランプを組み合わせて神秘的な空間を生み出したアリシア・クワデ。実像と鏡像が交錯し、迷宮の世界へと誘うダリの作品とシンクロするかのよう。また、身体表現をテーマにしたプリンツ・ゴラムの作品は人間の肉体美を表現したロダンやセザンヌの彫刻と共鳴する。