サントリー美術館とnendoが初コラボ。日本美術の見方を変える?展覧会。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

サントリー美術館とnendoが初コラボ。日本美術の見方を変える?展覧会。

nendoの佐藤オオキが初めて企画・展示デザインを手がけた全く新しいアプローチの展覧会が始まっている。その名も『information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美』だ。

〈サントリー美術館〉と共同で企画・展示デザインを手がけたnendoの佐藤オオキ。
美術品を目の前にした時、鑑賞者の感じ方は2通りある。ひとつは作品の背景や制作過程などの情報を知ってから理解する左脳的な感じ方と、なんの手引きもない状態でただ素直に心が揺さぶられるような右脳的な感じ方があるのではないか?——こうした仮定をもとに、今までにない美術品の鑑賞方法を提案するのが、この企画展の狙いだ。

まず会場の入り口が二手に分かれており、意表をつく。右は黒いルートで「inspiration?」、左は白いルートで「information?」という案内の文字が。どちらを先に選ぶかは鑑賞者の自由だ。展示されているのはサントリー美術館のコレクション約3,000件の中から佐藤オオキが選んだ27点。ひとつの作品を、隔てられた左脳を働かせる「information?」ルートと右脳で感じる「inspiration?」ルートの両側から2度見ることになり、同じ作品なのにまったく違う見え方をするのが面白い。まずは「inspiration」のルートで見ていこう。
「inspiration」ルート。左側の黒壁に並ぶ小窓から覗き込むようにすると、何かが見えてくる……。
「inspiration」ルート。床にある立ち位置から覗き込むと、意外なものが見えてくる。
「inspiration」ルート。左側の黒壁に並ぶ小窓から覗き込むようにすると、何かが見えてくる……。
「inspiration」ルート。床にある立ち位置から覗き込むと、意外なものが見えてくる。
大人の目線よりも低い位置に開けられた小さな窓から覗き込むように鑑賞すると、そこには普段は見かけないようなアングルからの作品が現れる。自ずと鑑賞者の意識は集中して作品に向けられ、技巧を凝らした細部にまで関心を寄せることになる。いつもより一層意識的にモノを見て、心を動かせる。そして予備知識や情報がない分、数々の疑問も生まれてくる。頭の中にたくさんの「?」を浮かべながら、次々と登場する作品を鑑賞していく。
覗き込むと《色絵獅子鈕鞠形香炉》(野々村仁清作、江戸時代前期。以下、作品はすべて〈サントリー美術館〉)の背面が見えてくる。しかし「inspiration」のルートでは作品名は明かされない。
《薄蝶螺鈿蒔絵香枕》(江戸時代前期)。「inspiration」のルートでは解説がないので「何に使うもの?」「この細工はどう作るのだろう?」と疑問が次々と浮かぶ。
覗き込むと《色絵獅子鈕鞠形香炉》(野々村仁清作、江戸時代前期。以下、作品はすべて〈サントリー美術館〉)の背面が見えてくる。しかし「inspiration」のルートでは作品名は明かされない。
《薄蝶螺鈿蒔絵香枕》(江戸時代前期)。「inspiration」のルートでは解説がないので「何に使うもの?」「この細工はどう作るのだろう?」と疑問が次々と浮かぶ。