六本木ヒルズに千利休の茶室が登場! 日本建築を生んだ遺伝子とは? | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

六本木ヒルズに千利休の茶室が登場! 日本建築を生んだ遺伝子とは?

千利休の茶室、幻の名作住宅が精密な模型で甦り、映像インスタレーションで本物を仮想体験できる。圧倒的な量とリアルな展示で日本建築のDNAを探る『建築の日本:その遺伝子のもたらすもの』が開幕しました。

国宝〈待庵〉(伝 千利休 1581年頃)原寸大再現。大きな窓に面した展示室にある。ここから見下ろす東京の街並や夜景もまた一興。
わずか二畳の小空間にすべてが凝縮された〈待庵〉内部。展示では実際に〈待庵〉の中に入り、千利休の心に思いを馳せることができる。
国宝〈待庵〉(伝 千利休 1581年頃)原寸大再現。大きな窓に面した展示室にある。ここから見下ろす東京の街並や夜景もまた一興。
わずか二畳の小空間にすべてが凝縮された〈待庵〉内部。展示では実際に〈待庵〉の中に入り、千利休の心に思いを馳せることができる。
安藤忠雄、伊東豊雄、SANAA、坂茂、谷口吉生ら、世界中から熱い視線を集める日本の現代建築。本展は日本建築に関する400点以上の資料を9つのセクションに分けて見せている。サブタイトルの「遺伝子」という言葉は日本の建築の技術やデザインがどのように受け継がれ、進歩してきたかを分析することを指す。

「江戸時代までは大工が建物の形を考え、施工していたわけで、設計のみを業務とする建築家という職能はありませんでした。それがわずか150年で世界に知られるようになったのはなぜなのか。そこには建築の“遺伝子”が重要な働きをしているのでは? と考えたんです」と企画チームの一人、建築史家の倉方俊輔は言う。
展示の始まりは目次のようなグラフィックから。企画チームが見出した日本建築の9つの遺伝子が並ぶ。
北川原温《ミラノ国際博覧会2015日本館 木組インフィニティ》(部分)。紀州産のヒノキを使った。香りがほんのりと漂い、五感で建築を感じる展示であることを教えてくれる。
展示の始まりは目次のようなグラフィックから。企画チームが見出した日本建築の9つの遺伝子が並ぶ。
北川原温《ミラノ国際博覧会2015日本館 木組インフィニティ》(部分)。紀州産のヒノキを使った。香りがほんのりと漂い、五感で建築を感じる展示であることを教えてくれる。
北川原温《ミラノ国際博覧会2015日本館 木組インフィニティ》2015年・ミラノ(イタリア)、撮影:大野 繁。シンプルな工法で組み立てられた木が美しい幾何学模様を描く。
展覧会は木造建築に着目したセクションから始まる。会場に入ると目の前に木を組み上げた壁がそびえ立つ。北川原温が2015年のミラノ国際博覧会で制作した「立体木格子」だ。高さ5.3メートルの木の壁は釘を使わず、2つの木材がぴったり噛みあうように切り欠く「相欠き(あいかき)つぎ」という方法で組み合わされている。切り欠いた木材は4種類、特殊な技能がなくても組み立てることができる。
第1章「可能性としての木造」展示室。木の構造美を堪能できる。
磯崎新の《空中都市 渋谷計画》1962年計画案。東大寺南大門を参考にしている。
木は日本人にとって馴染みの深い材料だ。鉄やコンクリートに比べると強度や耐火性に劣るとされてきたが、さまざまな技術開発でそれらの欠点を克服できるようになってきた。いにしえの知恵に学ぶこともたくさんある。磯崎新の高層ビル計画は東大寺南大門にヒントを得たものだ。木造高層建築の模型は古建築の構造を応用したもの。
《古代出雲大社本殿》年代不詳/2018年(CG)、制作:後藤克典。〈古代出雲大社本殿〉の在りし日の姿をCGで再現。さぞや眺めも良かったはず。
《古代出雲大社本殿》復元模型。現在の2倍、48mの高さだったと推測されている。
出雲大社の模型は高さ48m説に基づいて作られた、 “日本のピラミッド”と言いたくなる大物。以前から巨大建造物だった、という伝承はあったが、2000年に直径3mもある「宇豆柱(うずばしら)」と呼ばれる柱や最大で直径6mにもなる柱穴が出土、その伝承が本物である可能性が高まった。木造による大型建築も夢ではないのだ。
〈会津さざえ堂〉1797年(江戸時代)重要文化財の模型。一筆書きで上まで昇って降りてこられる二重螺旋構造。これを木造で作ったのかと思うと胸が熱くなる。