隈研吾とスノーピークによる、旅する建築《住箱》。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

隈研吾とスノーピークによる、旅する建築《住箱》。

モバイルハウス《住箱》は、暮らし方の未来「マルチハビテーション」を提案するツールだ。

森へ、海辺へ、住みたい場所に移動して窓の覆い板を下ろせば、快適なワンルームの完成。スノーピークが提案するモバイルハウスという新たな選択肢の誕生だ。
独立専用住居建築=住むことに純化した建築「家」が誕生するのは、産業革命後の職住分離の近代社会で、「通勤」というライフスタイルが生まれてからのこと。実は200年くらいの歴史しかない。ワークスタイルが変わり「通勤」の必要がない時代になれば、「家」は姿を変え、住むことはもっと自由になるかもしれない。

そんな可能性を感じさせる新製品、モバイルハウス《住箱 JYUBAKO》が、新潟県に本社を構えるアウトドアメーカー、スノーピークから発表された。設計は建築家の隈研吾。春から一般向けの販売がスタートする予定だ。

杢目が浮かぶ木製パネルの壁面の一部が展開して開口部になり、閉じるとシンプルな箱になって、トレーラーで牽引し自由に移動することもできる。住むことを自由にする「マルチハビテーション」ツールとしてはもちろん、アイデア次第で移動カフェやキャンプ場のコテージなどに転用可能だ。
ミニマルだが味わい深いインテリア。LEDの間接照明に浮かび上がる木のテクスチャーが美しい。
スノーピークは今年4月にオープンする〈GINZA SIX〉に、《住箱 JYUBAKO》を軸とした、新しい暮らしの提案型ライフスタイルショップ〈スノーピークモバイル〉も出店する予定。複数の生活拠点を持ち、住みたい場所で暮らし、働きたい場所で働く。ライフスタイルにそんな選択肢が加わる時代が、もうすぐやってくるかも。
《住箱》のエレベーション。床下にはタイヤが潜み、自由に移動することが可能だ。公式サイト

隈研吾

建築家。2009年より東京大学教授。近作に〈根津美術館〉〈FRACマルセイユ〉など。国内外で多数のプロジェクトが進行中。近著に『なぜぼくが新国立競技場をつくるのか』(日経BP社)。