設計図も公開! 中村好文が手がけた6つの”朗らかな台所”とは? | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

設計図も公開! 中村好文が手がけた6つの”朗らかな台所”とは?

建築家・中村好文が住宅を設計する際、とりわけこだわりを見せるのが台所だ。施主と心ゆくまで対話をし、隅々まで工夫を凝らした台所のつくり方が、著作『百戦錬磨の台所 vol.2』で設計図とともに紹介されている。中村が携わった6つのキッチンは、どんな夢の台所に仕上がったのか?

江波戸玲子さんの自邸。アイランドカウンターにもシンクとIHコンロを設けることで、ゲストも気軽に洗い物や料理の手伝いができるように。
家を建てるとき、リノベーションをするとき、料理好きな人がもっとも頭を悩ませるのは、台所のつくり方だろう。自分にあった調理台の素材は? 手を伸ばしやすい棚の高さは? パントリーは作った方がいい? その動線は? ストレスなく、使いやすく、美しい台所にするために考えることは尽きない。まして、火と水を同時に使う台所は、耐久性にも優れていなければいけないのだから。

中村好文は、料理と食べることを愛する建築家だ。数々の住宅を手がけてきた彼が、とくにこだわりを見せるのが台所。曰く、台所は「住宅の中で、合理性、効率性、機能性、有用性の四つが要求され、そのことが最も顕著に表れるところ」。最も難しく、腕の見せどころでもあるという。

昨年11月に発売された著作『百戦錬磨の台所 vol.2』では、中村が手がけた6つの台所が紹介されている。施主はみな料理好きで、こだわりが強く、一筋縄ではいかない人ばかり。彼らの要求を中村が対話により一つひとつ解きほぐし、理想の台所に近づけた工夫の一部始終が紹介されているのがこの本だ。間口やカウンターのサイズ、素材、ときにはどんな皿がしまわれるのかまでを考慮して作られた食器棚など、そのすべてが設計図とともに公開されている。いくつかの台所をのぞいてみよう。

●木工作家・三谷龍二さんの「収納たっぷりの台所」。

木工作家・三谷龍二さんの台所。増え続ける食器と台所道具をどう収納するかが課題だった。
食堂から居間方向を見る。
36、7年前、中村がまだ吉村順三設計事務所に属していた際、ある縁から中村は木工作家・三谷龍二さんの自邸の設計を担当することになった。それから歳月が経ち、老朽化が進んだ家の大掛かりな改修を手がけることに。
台所平面図。コの字型をニの字型に変更し、シンク側のカウンターを広げて食器棚にした。
台所を含む1階平面図。動線の確認ができる。
台所、シンク側の展開図。収納する食器の寸法もヒアリングして棚を作成する。
コンロ側の展開図。
三谷さんは食器も手がけている作家ゆえ、様々な素材の食器が大量にある。これをいかに収納するかが三谷家の課題だった。台所の改修にあたり、一番大きく変更したのは「コの字型」の配置を「ニの字型」にしたこと。これによってコーナーのデッドスペースをなくすことができる。また、シンク側のカウンターの奥行きを広げて立ち上がりをなくし、フラットに変更。食堂側から使える食器棚とした。長さ2m強、奥行き93cmの巨大カウンターは、収納量に優れているだけでなく広々と気持ちよく調理ができそうだ。
幅71.5cmの大型の引き出し。奥の食器を取り出しやすいようフル・スライドにしてある。
食堂東の窓下にも大量の収納を設けた。
三谷夫妻。順子さんは「お客様とお喋りしながら料理や片付けができるところが一番気に入っています」とのこと。
築36年を経た外観。
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