佐野文彦が空間プロデュース。開通前夜の道路に泊まる“トンネルホテル”とは? | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

佐野文彦が空間プロデュース。開通前夜の道路に泊まる“トンネルホテル”とは?

大分県の景勝地・耶馬渓に2021年春、自動車専用道路「耶馬渓道路」が通る。なんとその直前、本来入ることのできない開通前の路上で一夜を過ごす、宿泊イベントが開催されることに。前代未聞の〈耶馬渓トンネルホテル〉の予約が始まった。

開通前のトンネル。3Kmもあるトンネルの一部がホテルになる。
開通前のトンネル。夜は幻想的な空間に。
黄色のラインが引かれた場所が、今回のホテル会場。
美しい自然に囲まれたホテル周辺。日本三大紅葉名所・耶馬渓の代表的な景勝地「一目八景」。
移りゆく四季の美しい自然を求め、例年、多くの人が訪れる耶馬渓。コロナ禍で観光業が打撃を受けるなか、新たな挑戦となるプロジェクト〈耶馬渓トンネルホテル〉が立ち上がった。ホテルとなるのは、開通前の「耶馬渓道路」上の橋梁とトンネルの一部。ゲストはトンネル内で食事やお酒を楽しみ、道に並ぶキャンピングカーで一夜を過ごすという、日本初の体験ができる。
日本の木材を現代的なデザインに昇華させる建築家・佐野文彦が、トンネル内の空間をプロデュース。
トンネル内には、このプロジェクトのために特別に作られた木の巨大なテーブルなどが配置される。
今回、トンネル内のプロデュースを手掛けたのは、建築家・佐野文彦。耶馬渓産の木材を使った巨大なテーブルや、くつろぎのスペースが点在し、ソーシャルディスタンスにも配慮した造りになっている。
夕食は料理家・宇佐美友香を中心とするチームが、耶馬渓の食材を生かしたオリジナルレシピを考案。
耶馬渓は、戦後から有機農法が何十年も根付いてきた地域でもある。
宿泊特典として贈られる、耶馬渓材を使った漆の器。
実はこのトンネル、1日をかけてさまざまな空間に変貌するそう。夜には耶馬渓・中津の食材をふんだんに取り入れた目にも鮮やかなスペシャルディナーが振る舞われ、夕食後にはトンネルバーに変身。バーテンダーが腕を振るうオリジナルカクテルや、地元の焼酎《耶馬美人》などが用意される。バーのDJタイムでトンネル内に反響する音楽に耳を傾けたり、トンネルを抜けた先の夜空を見上げたり、と楽しみ方は自由だ。

そして、暖かく快適なキャンピンクカーでゆっくり眠ったあとは、無農薬の小麦を使った焼き立てパンや、山の上で焙煎されたコーヒーなど、オーガニックな朝食を。耶馬渓の自然と地元の食、工芸に包まれながら過ごす特別な1日は、忘れられない体験になるはずだ。
夏の『仮設ホテル Yabakei Temporary Hotel』のイメージ。
このプロジェクトは、今回かぎりで終わらない。翌年以降は紅葉や蛍の時期などに、耶馬渓の森や里山の空き地を借りて、今回作られた仮設ホテルを再設置。〈仮設ホテル Yabakei Temporary Hotel〉として、自然を間近で体感できる企画を継続的に開催する。今後も、目が離せないプロジェクトになりそうだ。

〈耶馬渓トンネルホテル〉

大分県中津市耶馬溪町 中津日田道路 耶馬溪道路区間。2月11日、12日、13日のうち、いずれかの日程で1泊2日(宿泊は各日35人まで)。チェックインは17時30分、チェックアウトは翌朝9時。キャンピングカー1台(定員4名)につき25,000円、夕朝食1人につき10,000円。未就学児の宿泊は不可。中津市民限定でディナータイムのみの申込みも可。

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