SPECIAL JAPANESE MODERN ARCHITECTURE 55
香川
044 香川県立体育館
Kagawa Prefectural Gymnasium (1964)

1964年竣工。設計:丹下健三。舟をイメージさせる異色の作品。〈国立代々木競技場〉と同時設計で双子の関係にあたる。吊り天井の大屋根が特徴。1,300人を収容するアリーナの観客席部分は舟の先端に飛び出したような形になっていて、巨大な4本の柱で支えられている。それはこの場所が元塩田の埋め立て地で、脆弱な地盤のため、基礎工事にかかる費用を抑えるためのデザインであったという。アリーナはバレーボールやバドミントン、卓球など、さまざまなスポーツに利用できたほか、トレーニングルームやスタジオなどが併設されていた。1階ホワイエ部分の家具はデザイナー剣持勇が担当した。木の台座を使った円形スツールや受付のデスク、照明など、ジャパニーズモダンデザインの雰囲気を残している。耐震改修工事の入札不良により、2014年9月末で閉館。現在、取り壊しの危機にある。外観のみ見学可能。