DESIGN
古今東西 かしゆか商店【真珠の念珠】
『カーサ ブルータス』2022年10月号より
October 6, 2022 | Design | KASHIYUKA’s Shop of Japanese Arts and Crafts | photo_Keisuke Fukamizu hair & make-up_Masako Osuga editor_Masae Wako
日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回訪ねたのは、伝統工芸の町・京都で340年続く工房。天然素材を使って職人が手作りする“念珠”と出会いました。
子どもの頃から知っていて、大人になれば一つは持つようになる。日本の文化に深く根づいているお数珠ですが、実は歴史も意味も知らずにいることに気づきました。
「想いを込めて念じるものだから “お念珠” 。私たちは創業時からそう呼んでいるんですよ」と教えてくださったのは、京都・寺町の六角通にある〈安田念珠店〉の安田容造さん。江戸時代初期に創業し、約340年間、当時と同じ場所で同じものづくりを続けている老舗の10代目です。
「想いを込めて念じるものだから “お念珠” 。私たちは創業時からそう呼んでいるんですよ」と教えてくださったのは、京都・寺町の六角通にある〈安田念珠店〉の安田容造さん。江戸時代初期に創業し、約340年間、当時と同じ場所で同じものづくりを続けている老舗の10代目です。
「念珠の原型が生まれたのは、仏教発祥の地とされるインドです。それが仏教とともにシルクロードを経て中国へ伝わり、日本に渡ってきたのは6世紀頃。もともとは、数を数えながら、その数を忘れないでおくための道具だったようですね。例えば、念仏を唱えながら珠を繰り、何回唱えたかを数える……という具合です」
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