DESIGN
創業150年目の〈フリッツ・ハンセン〉。その歴史が九段下の洋館でひもとかれます。
April 22, 2022 | Design | casabrutus.com | text_Yoshinao Yamada
創業150年を迎えた、デンマークを代表する家具メーカー〈フリッツ・ハンセン〉。その“タイムレス”なデザインと出会う展覧会『フリッツ・ハンセン 150th ―タイムレスデザインの証』が東京・九段下の《九段ハウス》で開催中です!
1872年に創業し、世界の名だたる家具メーカーの一つとしてその歴史をともに作り上げてきたデンマークの家具ブランド〈フリッツ・ハンセン〉。創業150年を記念して、東京・九段の〈九段ハウス〉で『フリッツ・ハンセン150th タイムレスデザインの証』が開催されている。
同社の創業者は、デンマークの小さな街で生まれた家具職人のフリッツ・ハンセンだ。若き彼は工房をコペンハーゲンに移し、その真面目な仕事ぶりが評価されて会社は成長を続ける。成形合板や木工ろくろを用いた家具を発表するなか、早くに若き息子に会社を譲った。
二代目のクリスチャン・E・ハンセンはいち早く建築家とのコラボレーションを始めた人物だ。彼は新しい技術を取り入れることにも積極的で、現在も国会議事堂で使用される椅子などを納めるに至る。
こうして現在のフリッツ・ハンセンを形作る礎が築かれ、同社はアルネ・ヤコブセンをはじめ、コーア・クリント、オーレ・ヴァンシャー、ハンス・J・ウェグナー、ボーエ・モーエンセンといったデンマーク家具史に名を刻むデザイナーと家具づくりを行っていった。現在では他社の製造となっている名作も、当初は多くがフリッツ・ハンセンで作られていた。
同社の創業者は、デンマークの小さな街で生まれた家具職人のフリッツ・ハンセンだ。若き彼は工房をコペンハーゲンに移し、その真面目な仕事ぶりが評価されて会社は成長を続ける。成形合板や木工ろくろを用いた家具を発表するなか、早くに若き息子に会社を譲った。
二代目のクリスチャン・E・ハンセンはいち早く建築家とのコラボレーションを始めた人物だ。彼は新しい技術を取り入れることにも積極的で、現在も国会議事堂で使用される椅子などを納めるに至る。
こうして現在のフリッツ・ハンセンを形作る礎が築かれ、同社はアルネ・ヤコブセンをはじめ、コーア・クリント、オーレ・ヴァンシャー、ハンス・J・ウェグナー、ボーエ・モーエンセンといったデンマーク家具史に名を刻むデザイナーと家具づくりを行っていった。現在では他社の製造となっている名作も、当初は多くがフリッツ・ハンセンで作られていた。
その歴史はまさに北欧デザインの輪郭を刻んできた歴史といえる。現在もデンマークを代表するデザイナーのセシリエ・マンツ、キャスパー・サルト、さらにはスペインを拠点とするハイメ・アジョン、日本を拠点とするnendoら、世界のデザイナーとともに新しいデザインを生み出し続けている。
『フリッツ・ハンセン 150th ―タイムレスデザインの証』はそんな同社の歴史を紹介しながら、貴重な資料や映像、そして世界で初めて発表される新たな試みまでを取り上げていく。
会場は東京都・九段下の〈九段ハウス〉だ。1927年に竣工したスパニッシュ様式の洋館で、東京タワーなどの設計で知られる内藤多仲が構造設計に関わっている。地下一階から屋上をもつ三階までの全4フロアを使い、さまざまな展示が行われているが、今回もっとも注目したいのが世界初公開となるポール・ケアホルムの新コレクションだ。
『フリッツ・ハンセン 150th ―タイムレスデザインの証』はそんな同社の歴史を紹介しながら、貴重な資料や映像、そして世界で初めて発表される新たな試みまでを取り上げていく。
会場は東京都・九段下の〈九段ハウス〉だ。1927年に竣工したスパニッシュ様式の洋館で、東京タワーなどの設計で知られる内藤多仲が構造設計に関わっている。地下一階から屋上をもつ三階までの全4フロアを使い、さまざまな展示が行われているが、今回もっとも注目したいのが世界初公開となるポール・ケアホルムの新コレクションだ。
ケアホルムはデンマーク美術工芸学校を卒業後、一年間ほどフリッツ・ハンセンに勤めた経歴をもつ。その際に2枚の成形合板を用いてデザインされたラウンジチェアが《PK0》。しかし同時期にアルネ・ヤコブセンの《アリンコチェア》が開発されており、それを優先するためにお蔵入りとなった幻の作品。かつて600脚限定のみリリースされたこともあったが、このたび新たな定番として《PK0 A》と名を変え、ラインアップに加わった。さらには初めて商品化されるコーヒーテーブル《PK60》もあわせて展示されている。
またアルネ・ヤコブセンの最高傑作〈SASロイヤルホテル(現ラディソン・コレクション・ロイヤルホテル)〉を再現した部屋も見逃せない。現在も竣工当時の姿を残す606号室へのオマージュとして、同室で使われている家具を張り地の色まで再現して展示。まるで現地を訪れたかのような臨場感をもって、名作の数々に腰掛けることができる。
またアルネ・ヤコブセンの最高傑作〈SASロイヤルホテル(現ラディソン・コレクション・ロイヤルホテル)〉を再現した部屋も見逃せない。現在も竣工当時の姿を残す606号室へのオマージュとして、同室で使われている家具を張り地の色まで再現して展示。まるで現地を訪れたかのような臨場感をもって、名作の数々に腰掛けることができる。
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