ART
三菱創業家による選りすぐりの名品をお見逃しなく。
July 30, 2021 | Art, Design | casabrutus.com | text_Aya Hasegawa
〈三菱一号館美術館〉で9月12日まで『三菱創業150周年記念 三菱の至宝展』が開催中だ。国宝12点をはじめとする、三菱を創業した岩崎家四代のコレクション約100点が一堂に会する。
三菱の創業は1870(明治3)年、下級武士の家に生まれた岩崎彌太郎が海運業の経営に着手したことに遡る。以来、1945(昭和20)年 に決定した財閥解体に至るまで、彌之助、久彌、小彌太と岩崎家4代にわたって継承されてきた。彼らは文化財に多大な関心を抱き、当時の学者や芸術家と積極的に交流。国際感覚に富み、社会に貢献する広い視野を持って収集された岩崎家の至宝は、現在、20万冊の古典籍と6500点におよぶ東洋古美術品を所蔵する〈静嘉堂〉と、約100万冊の蔵書を誇る東洋学の研究図書館〈東洋文庫〉に収蔵されている。
『三菱創業150周年記念 三菱の至宝展』では、前期・後期の展示替えをあわせ、〈静嘉堂〉〈東洋文庫〉の所蔵品である国宝12点、重要文化財31点、三菱経済研究所の所蔵作品を合わせた約100点を展示。芸術文化の研究・発展を通じた社会貢献の歴史を展観する。
『三菱創業150周年記念 三菱の至宝展』では、前期・後期の展示替えをあわせ、〈静嘉堂〉〈東洋文庫〉の所蔵品である国宝12点、重要文化財31点、三菱経済研究所の所蔵作品を合わせた約100点を展示。芸術文化の研究・発展を通じた社会貢献の歴史を展観する。
多岐にわたるコレクションのなかでも12点が出品される国宝は必見だ。現存する完品は世界に3点(すべて日本にある!)のみとされる茶碗《曜変天目》は、徳川家光から乳母の春日局に下賜されたとされる名品。俵屋宗達ならではの大胆な源氏絵《源氏物語関屋澪標図屏風》、南宋の宮廷画家・馬遠のものとされる山水画《風雨山水図》も見逃せない。
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