〈堀口珈琲〉が横浜に作った、豊かなロースタリー。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

〈堀口珈琲〉が横浜に作った、豊かなロースタリー。

新山下に誕生した〈堀口珈琲 横浜ロースタリー〉。これまで狛江店で行ってきた、各店舗で提供する豆の焙煎を、今後はここで一括して行う。
入り口からすぐの廊下。右側のグレー壁は、珈琲豆を使った建材。
周囲の景観にも配慮された、まるで住宅のような落ち着いた雰囲気の工場に。珈琲豆を使った壁材は、開口部を通して外からも覗ける。
新山下に誕生した〈堀口珈琲 横浜ロースタリー〉。これまで狛江店で行ってきた、各店舗で提供する豆の焙煎を、今後はここで一括して行う。
入り口からすぐの廊下。右側のグレー壁は、珈琲豆を使った建材。
周囲の景観にも配慮された、まるで住宅のような落ち着いた雰囲気の工場に。珈琲豆を使った壁材は、開口部を通して外からも覗ける。
1990年に東京・世田谷で開業した〈堀口珈琲〉。狛江店、上原店、また2017年には初の海外進出となる上海店もオープン。早くから自家焙煎を行うとともに、独自の研究所を設け、豆の香味を追求。生産国にも積極的に訪問し、高品質の生豆の安定供給を可能にするパートナーシップを多く結んできた。

この6月、横浜・新山下の臨港地域に、〈堀口珈琲 横浜ロースタリー〉が誕生。これまで狛江店の店内で行われてきた豆の焙煎を、今後はこのロースタリーが担っていく。横浜に焙煎機能を移した大きな理由のひとつは、海外から輸入する豆を保管する定温倉庫が、このロースタリーから数分の場所に位置すること。輸送距離・時間が格段に減らせることで、品質低下が起きるリスクをさらに軽減。生豆の選別機や焙煎豆のブレンダーを新たに導入することで、設備増強も行っている。

“ものづくり”に特化させるため、横浜ロースタリーには販売所やカフェは設けないが、建物の中央には見学者通路を用意。今後、生豆の選別から焙煎豆の包装に至る一連の工程を見学できるイベントの開催を予定している。
ロースタリー内の見学者通路。奥の焙煎機をはじめ、生豆が選別、焙煎されていく一連の流れを見ることができる。
吹き抜けを設けることで開放的な作業スペースに。
2階の打ち合わせスペース。一面の壁がガラス張りになっていることで、1階の工場内と溶け込むような印象を与える。
ロースタリー内の見学者通路。奥の焙煎機をはじめ、生豆が選別、焙煎されていく一連の流れを見ることができる。
吹き抜けを設けることで開放的な作業スペースに。
2階の打ち合わせスペース。一面の壁がガラス張りになっていることで、1階の工場内と溶け込むような印象を与える。
設計を担当したのは、伊東豊雄建築設計事務所出身の建築家・高塚章夫。当初は用意されていた図面を発展させる案を依頼されていたが、「工場はどうすれば豊かな建築にできるか?」という問いのもと、オランダの〈ファン・ネレ工場〉、ドイツの〈AEGタービン工場〉、群馬の〈富岡製糸場〉といった世界に残る名工場建築に学びながら、基本構造から再考。平らな屋根の乗った箱型になる予定だった建物を、切妻屋根のかかる平屋型に。また、天井など工場内の各所に自然素材を用い、自然光の差す開口部を設けることで、職人たちにとっても開放的な空間に。元の図面の持っていた、製造過程における豆の淀みない流れといった利点は生かしながら、各所に変更を施していった。