エルメスのウィンドウディスプレイ、レイラ・マンシャリの世界。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

エルメスのウィンドウディスプレイ、レイラ・マンシャリの世界。

〈エルメス〉フォーブル・サントノーレ店のウィンドウディスプレイを35年間手がけてきたレイラ・マンシャリのパリの仕事を体感できる展覧会が〈グランパレ〉で開催中です。

レースのように精緻な木彫パネルやアームチェア、大理石の噴水などすべてインドで特注。夏の宮殿のイメージ合わせ、透けるオーガンジー素材の「プリュム」、花柄を織り込んだ「ボリード」や「ケリー」、ヤギ革にあたかも型押しのように見える彫りを施した「ボリード」と「ケリー」(左端)を特別製作。
グロット(洞窟)をイメージしたディスプレイ。アーティストThomas Boogに依頼した貝殻を用いた胸像が見下ろす洞窟に、樹脂とスワロフスキー・クリスタルの蜘蛛の巣をはって。
グロットの中のケリーは、前面が孔雀の羽根でできている。このディスプレイのためだけに製作されたもの。
珊瑚と海藻、海に生きる動物と植物が天井からも迫る、シュールな世界を創作。インドネシアの木彫の屏風を背景にバッグ《カデナ》や馬具部門で作られる馬の鞍など。
2011年春のウィンドウより。Christian Renonciatによる馬の彫刻。馬の鞍まで銀色の革にエンボスが施され、鋼鉄のクールなイメージを表現。
地中海の光を表現。カラーラ産大理石で作られた波の彫刻の前には、セーヴルで製作された透かし彫りの磁器製ケリー。
テーマは「ペガサス」。アメジストのように見える樹脂製の巨大鉱石を背景に、硫黄の原石結晶で作られた黄色いペガサス。その羽根は雲母石でできている。紫色のベロアの《サシェ》、黄色いカーフの《ケリー》を。2009年秋のウィンドウより。
展覧会入り口を飾るのは、1995年春のウィンドウを飾った、Christian Renonciatによる彫刻。翼の生えたサンダルを履いたギリシャ神話のヘルメス神は、ブランドの象徴。
〈エルメス〉のパリ、フォーブル・サントノーレ店のウィンドウディスプレイといえば、単なる商品プレゼンテーションの域を超えた存在だ。ポエティックで、驚きに満ち、一瞬にして異世界へと誘うガラス越しのスペクタクルは、通りかかった人を思わず恍惚とさせる魅惑を持っている。そのディスプレイを、1978年から35年間にわたって手がけてきたのが、チュニジア出身のレイラ・マンシャリ。年に4回、じつに150を数える夢のようなウィンドウを創作してきた。レイラの仕事に対するオマージュを込めた展覧会が、パリの〈グランパレ〉で始まっている。

会場には、これまで手がけてきたディスプレイから選りすぐりの8つのシーンをほぼ当時のままそっくり再現している。レイラはつねに世界中のアーティストや熟練したアルチザンと組んで、インスピレーションを具現化してきた。驚くべきことに、ディスプレイに必要なオブジェや家具は、既製品を購入したことは一度もなく、毎回アーティストや職人に特別発注して造られたものか、あるいは1点もののアンティーク品であるという。そしてウィンドウ内に置かれるバッグや馬の鞍などの商品もまた、彼女がクリエイトする世界観に合わせた唯一無二のものが特別に作られ、ウィンドウに見入る者に夢を見せた後は、販売されることなくアーカイブスに眠るという! なんとも贅沢な物語だ。

子供時代を過ごしたチュニジアという国のエキゾチシズム、オリエントの職人技、豊潤な色の世界……レイラのセンスを通したウィンドウは、〈エルメス〉というメゾンが持つ文化の多様性、手仕事への敬意、旅や異国への憧れといった価値観とぴったり合致し、またそれを育み続けていたのだ。

レイラ・マンシャリ

ウィンドウ製作の一線からは退いたが現在もスカーフやアクセサリー部門で活躍中。photo_Carole Bellaïche

Hermès A Tire-d’Aile les mondes de Leïla Menchari
『エルメス−羽ばたきをして− レイラ・マンシャリの世界』

〈Grand Palais (Galerie Sud-est)〉

Av.Winston-Churchill 75008 Paris
。12月3日(日)まで。入場無料。10時〜20時(金曜・土曜〜22時)。火曜休。

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