セリーヌとダン・グラハムのアートな関係とは? | カーサ ブルータス Casa BRUTUS facebook-a facebook instagram line twitter youtube

セリーヌとダン・グラハムのアートな関係とは?

ショー会場にあったのは、なんと現代美術家ダン・グラハムのマスターピース。ファッションとアートの関係がまた一歩進化しました。

セリーヌの2017年春夏コレクション。ショーにはイヴ・クラインの《人体測定》シリーズを用いたルックも登場。
アートへの親和性を感じさせながらも、あからさまなコラボレーションは行ってこなかったセリーヌ。そうしたイメージに対して、2017年春夏コレクションで起きたことはちょっとした驚きだった。毎回セリーヌのショーは、パリ16区にある屋内テニスコート場で行われ、そこにメゾン内の設計チーム、あるいは店舗でもコラボしているアーティストのFOSによるセットが組まれる。

今回はどんな空間になっているのだろうと会場に入ると、そこにはダン・グラハムの巨大な作品が置かれていた。湾曲した2wayミラーガラス(片面が鏡、片面がガラス)が作り出す有機的なラインとアルミニウムのメッシュの直線的なラインからなるパビリオンは、存在するだけで美しく、それだけでショーへの期待値が上がった。
会場に設置されたダン・グラハムのパビリオン。ショーのためにダンが新たに制作した。客席には「I want to show that bodies are bound to the world, whether we like it or not…」というダンのメッセージも。
ショーがスタートすると、鮮やかな単色、あるいはグラフィカルに色を組み合わせたルックが登場し、ガラスやメッシュ越しに見るモデルの姿は抽象化され、様々な色があちこちでうごめいて見える。作品設置についてセリーヌのクリエイティブ・ディレクターを務めるフィービー・ファイロは次のように述べている。

「何年も前にニューヨークの〈ディア・ビーコン〉で初めてダンの作品に出会い、とても美しいと思いました……。そしてダンの展示空間を通して、自分のコレクションを見てみたいと思ったのです。人々は自分の姿をそこに見ると同時にコレクションも見られる、その事実がより複雑な絵を作り出すと思います」。美しいアートインスタレーションを見ているようなショーであった。
パビリオンのメッシュ越しに見た客席。
《セリーヌ2017年春夏コレクション》全ルックを見る

DAN GRAHAM

ダン・グラハム 1942年生まれ。64年にソル・ルウィットやダン・フレヴィンらを扱うギャラリーを設立し、アート界でのキャリアをスタート。アーティスト、キュレーター、ライターとして活動する。日本ではベネッセアートサイト直島にパビリオンが展示されている。

PHOEBE PHILO

フィービー・ファイロ 2008年よりセリーヌのクリエイティブ・ディレクターを務める。アートコレクターでもあり、ダン・グラハムの作品について「簡単に入手できる産業資材で作られたパビリオンは、日常に存在する複雑さと矛盾を浮き彫りにする」ともコメント。