〈プラダ〉が挑戦する再生ナイロン・プロジェクト。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

〈プラダ〉が挑戦する再生ナイロン・プロジェクト。

『カーサ ブルータス』2019年9月号より

〈プラダ〉は2021年末までに、使用しているバージンナイロンを無限に再生できるリサイクルナイロンへと移行する、と発表した。地球への負荷を低減する、"タイムレス"な素材とは?

カプセルコレクション「Re-Nylon」のアイテムには、三角形の新たなロゴが。写真のバックパック(197,000円/予定価格)やショルダーバッグ、ベルトバッグ、トートバッグなど6つがラインナップ。
プラスチックストローの廃止やレジ袋の削減など、各国で本格的にサステナビリティの取り組みが強く求められはじめた。そんな中、ラグジュアリーブランドでいち早く大規模なプロジェクトを発表したのが〈プラダ〉だ。新プロジェクト「Re-Nylon」は、海から集めたプラスチックや漁網、絨毯などの繊維廃棄物を浄化し作製する再生ナイロン糸《ECONYL®》を使用し、ナイロン製造を持続可能なものにする。画期的なのは、品質を損なわず“無限にリサイクル”できること。科学的なプロセスで何度もリサイクルできるのだ。
カーペットの廃棄物。
米国では年間159万トンのカーペットが埋められ、安定化させるのに数百年かかると言われている。
カーペットの廃棄物。
米国では年間159万トンのカーペットが埋められ、安定化させるのに数百年かかると言われている。
現在アリゾナ州の米国初となるカーペットリサイクル工場では、廃棄カーペットを裁断し、年間最大約1万6000トンのリサイクルが可能。さらに1万トン《ECONYL®》を作製する際、従来と比べ7万バーレルの石油を削減、二酸化炭素の排出量5万7100トンが減らせる。これによりナイロン製造がもたらす地球温暖化の影響を約80%削減できる。
カーペットを細かく分解。
アリゾナ州のフェニックスのリサイクル工場。
カーペットを細かく分解。
アリゾナ州のフェニックスのリサイクル工場。
70年代後半に工業用のナイロンを用いた商品を発表し、従来のナイロンに対する考え方を一新させた〈プラダ〉。“ブラックナイロン”の愛称まで付いたアイテムは今もなお、ブランドの象徴として愛され続けている。そんなナイロンを、2021年末までに《ECONYL®》へ完全移行を発表。時代の変遷と世界の変化を映し続けてきた〈プラダ〉は、本当の意味での“タイムレス”を生み出した。

〈ナショナル ジオグラフィック〉がプロジェクトに迫るビデオを製作。

プロジェクトの裏側を紹介するビデオ「What We Carry」のシリーズ1作目(全5作)が〈プラダ〉のウェブサイトで配信中だ。製作は、〈ナショナル ジオグラフィック〉。イギリスの女優、ボニー・ライトと〈ナショナル ジオグラフィック〉の探検家、自然保護活動家のアッシャー・ジェイがリポーターとなり、プロジェクトのサプライチェーンを明らかにしていく。問合せ/プラダ クライアントサービス TEL 0120 451 913。