DESIGN
古今東西 かしゆか商店【紅型の扇子】
『カーサ ブルータス』2019年3月号より
March 8, 2019 | Design | KASHIYUKA’s Shop of Japanese Arts and Crafts | photo_Keisuke Fukamizu hair & make-up_Masako Osuga editor_Masae Wako
日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回は、型紙で模様を描く型染め布「紅型」を探して沖縄へ。琉球王朝でも愛された伝統を継ぐ、30代の作家を訪ねた。
その土地の光と影と空気の色が、ひと目で伝わってくる。沖縄の布にはそんな魅力があると思います。今回選んだ「紅型」は、15世紀から19世紀まで続いた琉球王朝で、高貴な人々の衣装として作られていた染め物。「紅」は色、「型」は模様を表しているそうです。
沖縄本島で活動する縄トモコさんは、22歳で故郷の鳥取から沖縄へ移住し、4年間の修業を経て独立した30代の作家さん。昔ながらの技法と材料で、和装の帯から扇子やポーチなどの小物まで、さまざまな作品を作っています。デザインを考えるのも、それを型紙に彫るのも、色をつけて染めるのも、すべてひとりで行うと聞いて、まずは小刀で型紙を彫るところを見せてもらいました。
「紅型の型は、線を引いて彫るのではなく“突いて彫る”のが特徴。突くことで線に柔らかさが出ます」
と縄さん(彫る時の下敷きにするルクジューという道具は乾燥させた島豆腐なんですって)。この型紙を使って紙や布に「糊」を置いたら、その上から色を摺り込みます。糊の部分には色がつかない仕組みなんですね。さらに濃い色でぼかしを入れるのが「隈取り」。右手で2本の筆を持ち、1本で色を乗せたらすぐにもう1本でぼかす、その筆さばきがすごい!
と縄さん(彫る時の下敷きにするルクジューという道具は乾燥させた島豆腐なんですって)。この型紙を使って紙や布に「糊」を置いたら、その上から色を摺り込みます。糊の部分には色がつかない仕組みなんですね。さらに濃い色でぼかしを入れるのが「隈取り」。右手で2本の筆を持ち、1本で色を乗せたらすぐにもう1本でぼかす、その筆さばきがすごい!
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