DESIGN
これだけは絶対! ムナーリを知る5作品。
『カーサ ブルータス』2018年6月号より
May 16, 2018 | Design | a wall newspaper | photo_Shin-ichi Yokoyama text_Masato Kawai
マルチな才能で活躍した、ブルーノ・ムナーリの展覧会が開催中! 見逃せない作品5点を紹介します。
芸術家であり、絵本作家や著述家、さらにはグラフィックやプロダクトのデザイナーとしても活躍。多種多様な活動を展開した、イタリアが誇るクリエイティブ偉人が、ブルーノ・ムナーリである。日本でもファンの多い彼のこれまでで最大規模となる回顧展が〈神奈川県立近代美術館 葉山〉で開催中だ。
会場ではムナーリの長いキャリアにわたって生み出された作品、約320点が紹介され、そのうち約150点は日本初公開となる。モビールアート作品《役に立たない機械》や、油彩やアクリル、シルクスクリーンでも制作が続けられた《陰と陽》シリーズなどは、思考過程のわかる習作や直筆のスケッチも展示されていて、ムナーリを初めて知る人はもちろん、ディープなファンでも楽しめる内容となっているのが嬉しい。また会場では、未来派をはじめ、1940年代の具体芸術運動、キネティックアートやオプティカルアートの先駆者が参加した60年代のアルテ・プログランマータ運動など、ムナーリが各時代の前衛的な芸術運動にいかに加わり、その表現の幅を広げたかを知ることができる構成となっているのが、これまでにない試みだ。
今回は、名作揃いの展示品から、特に見逃せない作品を厳選。絵本や猿の玩具《ジジ》は目にすることも多いが、ここに掲載する5点はこの機会を逃すとなかなか出会えない貴重な作品ばかり。ぜひとも会場で実物を体感して、類いまれなるムナーリの創造性に触れてほしい。
会場ではムナーリの長いキャリアにわたって生み出された作品、約320点が紹介され、そのうち約150点は日本初公開となる。モビールアート作品《役に立たない機械》や、油彩やアクリル、シルクスクリーンでも制作が続けられた《陰と陽》シリーズなどは、思考過程のわかる習作や直筆のスケッチも展示されていて、ムナーリを初めて知る人はもちろん、ディープなファンでも楽しめる内容となっているのが嬉しい。また会場では、未来派をはじめ、1940年代の具体芸術運動、キネティックアートやオプティカルアートの先駆者が参加した60年代のアルテ・プログランマータ運動など、ムナーリが各時代の前衛的な芸術運動にいかに加わり、その表現の幅を広げたかを知ることができる構成となっているのが、これまでにない試みだ。
今回は、名作揃いの展示品から、特に見逃せない作品を厳選。絵本や猿の玩具《ジジ》は目にすることも多いが、ここに掲載する5点はこの機会を逃すとなかなか出会えない貴重な作品ばかり。ぜひとも会場で実物を体感して、類いまれなるムナーリの創造性に触れてほしい。
ブルーノ・ ムナーリ こどものこころをもちつづけるということ
〈神奈川県立近代美術館 葉山〉神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1 TEL 046 875 2800。〜6月10日。9時30分〜17時(入館は16時30分まで)。月曜休。一般1,200円。
ブルーノ・ムナーリ 1907年ミラノ生まれ。30年代よりイタリアを中心にした芸術運動、未来派の一員として絵画や立体作品を発表。絵本作家、グラフィックやプロダクトのデザイナーとしても活躍。1998年没。