ロンドンにデザイン・ビエンナーレ誕生! 第1回のテーマは「ユートピア」です。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

ロンドンにデザイン・ビエンナーレ誕生! 第1回のテーマは「ユートピア」です。

ロンドンでは毎年9月後半が「デザイン・フェスティバル」となり、街のいたるところでデザイン関係のイベントや展示、見本市が開催される。それに合わせ、今年から「ロンドン・デザイン・ビエンナーレ」がスタート! 世界各国の代表がデザインで競い合うといった趣向だ。会場は18世紀に建てられた元貴族の屋敷である「サマセットハウス」。37か国が参加した、記念すべき第一回の様子をリポートします。

会場のサマセットハウス。ドーム屋根の上には、アーティストのジェレミー・デラーがデザインした「スマイル」の旗がたなびく。
2016年はトマス・モアの『ユートピア』が出版されてからちょうど500年ということで、今回のテーマは「ユートピア」。現在では「理想郷」といった意味で使われる言葉だが、元は「どこにもないところ」といった意味で、モアが作った造語だ。社会的な不正義の告発などが込められたこの本が世に出てから500年が経った今、 各国を代表するデザイナーたちが 「ユートピア」をテーマに展示に挑む。
会場の中庭に設置されたイギリス代表のバーバー・オズカビーによる《フォーカスト》。
主催国イギリスの代表はバーバー・オズカビー。館内ではなく、建物前の中庭に 《フォーカスト(予報)》という大きな作品が設置された。これは風見鶏、風力計、発電機を兼ねたもの。EU離脱問題で先行きが全くわからないイギリスだが、産業革命以前は風だけを動力にした帆船で世界中を航海していた。また風まかせで行こうぜ! と言うイギリス的な 「風刺」も感じる作品だ。
インドの展示。宗教、社会、政治と複雑な要素が絡む中、古典的神話と現代的デザインを対比かつ融合させ、「ユートピア」の表現を試みている。
展示は全体的にコンセプチュアルなインスタレーションが多く、いわゆる「デザイン見本市」との差別化も意図されている。参加国は37で、パキスタン、インドネシア、チュニジア、ナイジェリアといった、デザインイベントではあまりお目にかかれない国のデザイン事情も知ることができた。

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