古今東西 かしゆか商店【仙台こけし】 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

古今東西 かしゆか商店【仙台こけし】

『カーサ ブルータス』2021年8月号より

日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回出会ったのは、宮城県の温泉郷でつくられる仙台こけし。地元の木をろくろ挽きして絵付けする、素朴な郷土玩具です。

江戸末期に誕生した「作並系仙台こけし」。その伝統を継ぐ鈴木明さんの工房兼店舗〈玩愚庵こけし屋〉は、奥州3名湯の一つ、秋保温泉郷にある。右ページのこけしは身長12cm。「小さくても表情豊かです」とかしゆか店主。
小さいものはかわいい。手のひらにのるほどちっちゃなこけしを眺めてそう思っていたところ、

「こけしは元々、ままごと遊びの人形としてつくられたんですよ」

と教えてくれたのは、こけし工人の鈴木明さん。宮城県の秋保温泉郷に工房を構える〈玩愚庵こけし屋〉の3代目です。
Buying No.39【仙台こけし】純朴で愛らしい東北生まれの伝統玩具。
「原点は江戸後期に東北の木地師がつくったろくろ挽きの人形。木地師というのは、漆の盆や椀の元になる木のうつわを削る職人です。彼らが子どもたちを喜ばせたくて考えたものだと伝わっています」

いいお話! だから小さな手でも持てるように胴が細くなってるんですね。この伝統的な形は東北6県だけでつくられていて、宮城の「鳴子系」や青森の「津軽系」など地域によって柄やデザインが異なります。鈴木さんがつくるのは、幕末期に仙台で生まれた「作並系」の仙台こけし。墨と赤のシンプルな絵付けが特徴です。
「ひとつひとつ表情が違うのが愛おしい」とかしゆか店主。上段には昭和の古いものも。
素材は真っ白で硬いミズキの木。
「素材はミズキという東北の木。白い木肌が人形に合うんです」

と鈴木さん。まずはろくろにミズキの角材を付けて高速回転させ、そこへ鉋の刃を当てて削ります。途中で刃物の種類を替えながらも、ぐいっとひとつながりに形づくる。磨いて仕上げた木の人形は、頭から胴まで木目がきれいに通っていて、顔が描かれる前から人形らしい存在感があるんです。
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