古今東西 かしゆか商店【八尾和紙の文庫箱】 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

古今東西 かしゆか商店【八尾和紙の文庫箱】

『カーサ ブルータス』2021年3月号より

日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回訪ねたのは、手漉き和紙の伝統が残る富山県の八尾町。丈夫な和紙に“型染め”で模様を施した文庫箱に出会った。

富山市八尾町で1960年に創業した〈桂樹舎〉。今も昔の技法で、和紙漉きや型染め、日用品への加工などを行っている。かしゆか店主が触れているのは、シワ加工した手漉き和紙。「木綿の布のようにしっかりした手触りです」
繊細に見えるのに、実は強くて丈夫でへこたれない。日本の手仕事にはそういう強さを持つものが多い気がします。北陸・富山の八尾町に伝わる「八尾和紙」もそのひとつ。今回、昭和35年から手漉き和紙をつくり続けている〈桂樹舎〉を訪ねたところ、室内の椅子に敷かれていたのはなんと和紙のクッション。5年使っているというのが信じられないほど、しっかりしていて安心感もあるんです。
Purchase No.35【 八尾和紙の文庫箱 】強く美しい和紙でつくる型染め模様の文庫箱。
「八尾和紙はもともと、日用品に加工する紙としてつくられていました。文房具や障子紙、富山の薬売りの包み紙もそう。ウチはその製法をかたくなに守っています」
と代表の吉田泰樹さん。先代が型染めで知られる人間国宝の染色家・芹沢銈介さんと親交があったことから、手漉き和紙に型染めを施す「型染め和紙」も手がけるようになったとか。紙漉きや型染めから和紙の日用品づくりまで、今も手作業で行っているそうです。
楮の皮からつくる八尾和紙。昔は雪解け水を使った。
この日はまず紙を漉く工房へ。トロロアオイというでんぷん質の多い植物の根を使い、冷たい水の中で楮の和紙を漉く。いったん乾燥させたら、こんにゃく芋を液状にしたこんにゃく糊を塗り、さらに手で揉んでギュッと絞ることでシワ加工を施します。

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