12人の女たちが自由に語る、ヘルムート・ニュートンの素顔。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

12人の女たちが自由に語る、ヘルムート・ニュートンの素顔。

『カーサ ブルータス』2021年1月号より

センセーショナルなヌード写真で世界を揺るがせたニュートン。関わった女たちに天才写真家の姿はどう見えていたのか?

HELMUT NEWTON 1920年ドイツ生まれ。ユダヤ人迫害から逃れ、オーストラリアへ移住。現地の『VOGUE』で注目され、62年に渡仏。以後、ファッション写真家として世界で活躍する。自動車事故で死亡。享年83歳。 Helmut at home, Monte Carlo, 1987 (c) Foto Alice Springs, Helmut Newton Estate Courtesy Helmut Newton Foundation
挑発的なファッションフォトか? それともエレガントなポルノか? ヘルムート・ニュートンの写真は常にセンセーショナルで、『ヴォーグ』などのファッション誌に掲載されるたび、さまざまな議論を巻き起こしてきた。

女性の肉体をドラマチックな演出で写したその写真は、女の真の強さを表していると称えることもできるし、女性を物として消費していると捉えることもできる。

今で言うところの “炎上” を繰り返してきたわけだが、映画『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』に出演する女性たちの言葉を聞くと、そのイメージは少しずつ変化していく。
Charlotte Rampling(シャーロット・ランプリング)女優
Charlotte Rampling (c) Pierre Nativel, LUPA FILM
Isabella Rossellini(イザベラ・ロッセリーニ) 女優
Isabella Rossellini (c) Pierre Nativel, LUPA FILM
Grace Jones(グレイス・ジョーンズ) モデル
Grace Jones 2019, Lupa Film, (c) Pierre Nativel
Anna Wintour(アナ・ウィンター) 編集者
Anna Wintour (c) Pierre Nativel, LUPA FILM
Claudia Schiffer(クラウディア・シファー) モデル
Claudia Schiffer (c) Alexander Hein, LUPA FILM
Marianne Faithfull(マリアンヌ・フェイスフル) 歌手
Marianne Faithfull (c) Pierre Nativel, LUPA FILM
彼に撮られたモデルが口を揃えて言うのは、ニュートンの紳士な振る舞いだ。彼のミューズのひとりだった黒人モデルのグレイス・ジョーンズも、10代にして彼と出会い、エロティックなフォトシューティングに挑戦したクラウディア・シファーも、撮影現場には被写体への敬意と、彼らしいユーモアが溢れていたと振り返る。

フェミニストを自称する女優のイザベラ・ロッセリーニが、その写真を極めて男性的と論じつつ、その中にある美しさに強烈に惹かれているのも印象的だ。

一方で、作中には批評家のスーザン・ソンタグがニュートンに「あなたの作品は女性蔑視では?」

と詰め寄るシーンも。かと思えば、妻であり、モデルから写真家へ転身したジューン・ニュートンは、母なる眼差しでニュートンの制作を “彼の生きがい” と肯定する。

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