ホンマタカシ〈BALENCIAGA AOYAMA〉東京の風景をインテリアに取り込むストア。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

ホンマタカシ〈BALENCIAGA AOYAMA〉東京の風景をインテリアに取り込むストア。

『カーサ ブルータス』2021年1月号より

世界最大級の面積へと拡張した〈BALENCIAGA AOYAMA〉。内外の境界を曖昧にしたファサードは、外の景色をインテリアに取り込む。都市の風景がインテリアの一部になった世界で唯一の旗艦店です。

11月、南青山のみゆき通り沿いにリオープンした〈BALENCIAGA AOYAMA〉。周囲の景色が、店内のレイヤーとなったガラス面に映り込む。
バレンシアガの世界最大級となる旗艦店が東京・表参道に誕生した。みゆき通り沿いに拡張リノベーションした店舗は、そのデザイン・コンセプトも世界初のものとなっている。

地上2階、地下1階の〈BALENCIAGA AOYAMA〉。デザインはアーティスティック・ディレクターのデムナ・ヴァザリア。屋外と屋内の環境が連続するコンセプトは、バレンシアガ初。インテリアにはコンテンポラリーな建築現場やオフィスなどの公共的な要素が取り入れられ、フロアごとに異なる雰囲気に。
建物のファサード(サッシ)がレイヤー状に設置された店内。内部には形が微妙に異なる3種類のサッシが設置され、床面もコンクリートのインターロッキングブロック舗装からゴムチップ舗装、カーペットへと、外部に用いられる素材から室内のものに変化していく。
さらに店内にはストリートファニチャーに着想を得たベンチを置き、屋外の雰囲気を演出。外の景色がガラス面に映り込み、内外の境界は虚になる。
建物の内と外の境界線を曖昧にすることを試みた店舗は、ファサードが幾重にもなり、内部空間にも侵食するというものだ。建物の外装となるサッシに加え、内部には形状の異なる3種類のサッシが手前から奥へと設置され、床面もコンクリートのインターブロッキング舗装からゴムチップ舗装、そして毛足の短いカーペットへと、外部空間で用いられる素材から室内空間のものへと変化してゆく。さらに窓側には公園に置かれるようなベンチも設置し、テラスとも室内ともつかぬ曖昧な空間となっている。
グレーのグラデーションで構成される1階の空間。ファサードと対になったガラス壁と両端のミラー壁により、空間が無限に続くような感覚を覚える。サッシと棚の直線的なラインは空間をシャープに演出し、棚はビルの外装などによく用いられるアルミの押出形材で作られている。
アクセサリー類を展示するケースにはグラフィティのようなスプレーペイントが施されていて、アートワークの印象を与えている。
店内はアノニマスなオフィスを思わせる雰囲気だ。棚はビルの外装で用いられるような押出形材で作られ、天井にはフラットな光を作り出す巨大な光膜が設けられている。とはいえ無機質な味気のないものになることはなく、グラフィティのようなスプレーペイントを施したケースを置くことでアクセントを添えている。さらに1階はシンプルにグレーのグラデーションでまとめられているが、2階には赤い絨毯、地下1階には赤いカーテンと赤を加えることで、グラマラスな雰囲気も漂う。
ベルベットのカーテンを仕切りに用いた地下。ダメージ加工を施しガラス窓に飾ることで、アートワークのように見せる仕掛けだ。左奥に覗くのはフィッティングルーム。
サッシを斜めに配置することによりガラスの反射が複雑になり、思わぬ景色が映り込む。
バレンシアガのロゴの入った赤い絨毯が印象的な2階。椅子はヨーロッパの公園にあるようなシンプルなデザインの椅子にベルベットを張ることでエレガントに見えるというアイロニー。
鏡やガラスが多用された空間は、無限に続いてゆくような錯覚を起こさせる。都市の風景を取り込みつつ、独自の空間を創出するユニークな店舗だ。

〈BALENCIAGA AOYAMA〉

東京都港区南青山5-1-3 TEL 0120 992 136(バレンシアガ クライアントサービス)。11時〜20時。不定休。

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