DESIGN
つまようじ、その知られざる世界。
October 30, 2020 | Design | casabrutus.com | photo_Saneyuki Ito(THINK OF THINGS) text_Housekeeper ©️THINK OF THINGS
何気なく手にしているつまようじ、実は人類史の中でさまざまな変遷がありました。東京・千駄ヶ谷の〈THINK OF THINGS〉では、老舗メーカー・広栄社の貴重なつまようじコレクションを展示中! 最新デザインの「三角ようじ」も必見です。
極限まで無駄を削ぎ落とした最もミニマルなプロダクトの一つ、つまようじ。ネアンデルタール人の時代から使われていたと言われ、人類史上最も長く使われてきた道具の一つでもある。その歴史の中で、現在の形状にたどり着くまでにはさまざまな変遷があった。大正6年に創業したつまようじ専門メーカー・広栄社は、取締役会長の稲葉修さんがコレクションした数百種類のつまようじを〈つまようじ資料室〉で一般公開している。その中から選りすぐりのつまようじを展示する『つまようじ展』が、〈THINK OF THINGS〉で11月3日まで開催中。その後〈ambos〉でも11月13日~15日まで開催する予定だ。
寄贈を中心に集められた展示品からは、これまで人類がいかにさまざまな素材をつまようじとして使ってきたかに驚く。つまようじがネックレスなどの装飾品だった時代もあり、精緻な意匠が施された美しいつまようじも。古いものだけでなく世界各国の現行品も多数展示されており、現代においてもつまようじが国により全く異なる形・素材でアップデートし続けていることが見てとれる。
さらに会場では広栄社の最先端つまようじも販売。実は、日本で一般的に使われている断面が丸いつまようじはお菓子や果物を突き刺す道具であり、歯間の掃除には適していないのだそう。世界のつまようじをコレクションする中でそれに気がついた広栄社が、歯と歯の間の形状に合わせて断面が二等辺三角形になっている《DENTAL PICK》や、ヘラ状の軸で歯の表面を擦れる《DOCTOR PICK》を開発した。まさに“未来のつまようじ”だ。シンプルだからこそ奥深いつまようじの世界を見に、ぜひ足を運んでみては。
〈ambos〉
東京都品川区二葉3-17-13 山崎ビル1F店舗。11月13日~15日。13時~18時。会期中無休。