スティーブ・ハリソンのデスクを彩る文具たち。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

スティーブ・ハリソンのデスクを彩る文具たち。

『カーサ ブルータス』2020年10月号より

孤高の陶芸家が話題の文具店とコラボレーション。茶道具さながらの文具が創るデスクという小宇宙。

インク壺、キャンドル立て、ミニ花瓶など。自筆スケッチがプリントされた特製ノートも限定販売。
物想いに耽るスティーブ・ハリソン。
燃え盛る窯に塩を投じて焼き上げるソルトグレーズ製法で知られるイギリスの陶芸家、スティーブ・ハリソン。外出には茶器セットを持ち歩き、作るものも基本は茶器という無類のお茶好き。そんな彼が同様のこだわりを持って作ったペンやインク壺、虫眼鏡やブックエンドなどを展示販売する作品展『デスク』が、ロンドンの文具店〈チュージング・キーピング〉で開催になる。

こちら店主のジュリア・ジュヴェルにとってスティーブはメンター的存在。2年前に店をオープンする際も彼にアドバイスを求め、店のドアノブやテーブルなどは彼が手がけたものだ。この頃からゆっくり進行していた二人のコラボレーションがようやく実った形になる。

「マジョルカ島にあるイギリスの詩人で小説家、故ロバート・グレーヴス家の書斎のデスクや備品の美しさにインスパイアされて、店主のジュリアと構築しました。書き物の道具はお茶の道具に似ています。美しいペンにインクをつけながら書くのと、ボールペンで書くのとでは、当然心の有り様が異なり、書かれる内容にも影響するでしょう。デスクはいわば小宇宙なのです」と言うスティーブは、陶の部分だけでなく、彫金部なども自分で制作している。

ペンなどの袋は茶杓の袋をヒントに着物の古布で妻のジュリアさんが縫い上げたとか。「これが最初で最後」という渾身作は垂涎ものだが値段も高め。まずはマイデスクに宇宙を夢想するところから始めてみる?

Steve Harrison’s “DESK” Series

Pen Pot
ティーカップとも一味違うペン立て。デザインもサイズも異なる36種類を展示販売。こちらは磁器のボディに陶器の持ち手が付いたもので、650ポンド。
Dip Pen
陶製の持ち手と金のペン先をシルバーで接続したつけペンは全13種類。それぞれ袋付きで1,800ポンド。フレンチグレーの特注インクをつけて使いたい。
Pen Tray Set
木工作家ベン・カッソンとのコラボレーション作で、ウォールナッツ材のトレイにペンとインク入れがセットになったタイプ。3種類あり各3,000ポンド。
Bookends
スティーブのトレードマークであるひまわりのモチーフに金箔をあしらったどっしりした陶製のブックエンドは、ペアで5,000ポンド。こちらは一点物。
スティーブ・ハリソン
1967年生まれ。英国人陶芸家。ロンドンの自邸庭のスタジオで作陶、ウェールズの田舎の窯でソルトグレーズ製法で焼き上げる独特の作風が特徴。日本では〈アーツ&サイエンス〉〈ギャラリー久我〉で作品を取り扱っている。

〈Choosing Keeping〉

製品はすべて日本からでもネット購入可。展覧会『デスク』9月11日〜18日。
21 Tower Street London WC2H 9NS TEL (44) 20 7613 3842。10時30分〜17時30分。日曜休。

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