古今東西 かしゆか商店【松本箒】 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

古今東西 かしゆか商店【松本箒】

『カーサ ブルータス』2020年9月号より

日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回出会ったのは長野県松本で江戸時代から続く「松本箒」。自家栽培のホウキモロコシを編み上げる美しい手仕事です。

大小の松本箒が並ぶ〈米澤ほうき工房〉。3代目の米澤資修さんは、伝統的な形や手法を守りながら、今の生活に合うスリムなタイプも製作。「想像以上に手間のかかる作業。2年待ちという話も納得です」とかしゆか店主。
箒といえば畳。そう思っていたのですが、実はフローリングにもいいと聞いて興味を持ったのが、民藝の町・松本で江戸時代からつくられている「松本箒」です。特徴はホウキモロコシというイネ科の植物の、しなやかな穂を使っていること。みずみずしい薄緑色の穂は、触るとふんわり柔らかです。
Buying No.29【松本箒】民藝の町でつくられる柔らかで逞しい箒。
「僕はじいちゃんが40年以上前につくった箒を使い続けています。穂の色は飴色に変わりましたが、掃きやすさは変わらないし、穂が折れたり抜けたりすることも少ない。日本の穂は本当に良質です」

と話すのは、〈米澤ほうき工房〉3代目の米澤資修さんです。かつては近隣にホウキモロコシの畑が300以上、箒づくりに携わる家も100戸以上ありましたが、今、ホウキモロコシを自家栽培して箒を製作できるのは米澤さんとご両親の3人のみ。1年に600本ほどしかできない希少な松本箒は、思わず飾りたくなる美しさです。
素早く形づくられていく様に釘づけ。
「美しい箒ならリビングなど目につく場所にも掛けておける。すぐ手にとって掃除できるんです」

と米澤さん。“手づくりの箒”は日本各地にあり、栃木の鹿沼箒や岩手の南部箒など地域によって編み方も素材も変わるそうです。

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